ブロックチェーン開発企業のアプトス・ラボは18日、決済大手ペイパルが発行するステーブルコイン「PYUSD」のマルチチェーン版「PYUSD0」を自社ブロックチェーン上で対応すると明らかにした。
統合にはクロスチェーン技術のLayerZeroおよびStargateが活用される。
アプトスチェーンは高い処理速度と低コストを特徴とし、すでに月間700億ドル超のステーブルコイン取引が行われている。
今回の連携により、PYUSD0はアプトス上でもシームレスな利用が可能となり、決済やDeFi領域における活用拡大が見込まれる。
ペイパルにとってはブロックチェーン領域でのユースケース強化、アプトスにとっては実需拡大の契機となる戦略的な提携といえる。
.@Aptos is the Move-chain Launch Partner for @PayPal's PYUSD0
PYUSD reliability meets Aptos ultra low-cost, high-speed rails for real-world payments—at scale.
Aptos $70B monthly stables volume is just the start.
PYUSD0 via @LayerZero_Core & @StargateFinance unlocks what's next. pic.twitter.com/dAgIcYgU7X— Aptos Labs (@AptosLabs) September 18, 2025
ペイパルとの提携の背景
PYUSDは、ペイパルが2023年8月にイーサリアム(ETH)上でローンチした規制準拠のステーブルコインだ。その後、アクセシビリティ向上のためにソラナ(SOL)やアービトラム(ARB)にも展開されている。
今回の統合は、LayerZeroのオムニチェーン基盤を活用することで、イーサリアムやソラナなど既存のアルトコインブロックチェーンを越えて、アプトス上でのシームレスな送金を可能にする。
アプトス・ラボは公式発表で「PYUSDの信頼性と、アプトスの超低コスト・高速なインフラを組み合わせることで、大規模な実社会での決済を実現する」と述べ、投機的な取引を超えた実用性を強調した。
アプトスのブロックチェーンは、取引手数料が1セント未満と極めて安く、ほぼ瞬時に処理が完了する。そのため、既存の決済システムが抱えるスケーラビリティの課題を解決する可能性を秘めている。
市場への影響と今後の展望
この発表を受け、市場は即座に反応した。アプトスのネイティブトークンであるAPTは24時間以内に7%急騰して4.72ドルに達し、取引高は98%増の4億4420万ドルを記録した。
この価格変動は、機関投資家向けのステーブルコイン基盤としてのアプトスの役割に対する市場の信頼の高まりを反映した形だ。
また、この動きはペイパルがDeFiの採用へと向かう戦略的な転換を示すものだ。開発者は銀行を介さずに、ペイパルブランドのステーブルコインをアプリケーションに統合できる。
一方で、アバランチもLayerZeroを介したPYUSD0のサポートを独自に発表しており、マルチチェーンでのステーブルコイン普及に向けた競争が加速している。
今回の取り組みは、従来の銀行インフラでは実現が難しかった国際送金やクロスボーダー決済など、グローバルなユースケースを主な焦点としている。
アプトスのブロックチェーン基盤は、これまで数時間から数日を要していた決済処理を、ほぼゼロに近い手数料で数秒に短縮する設計となっており、今後の決済領域におけるリーダーシップ確立が期待される。
