暗号資産(仮想通貨)マーケットメーカーのWintermuteは7月30日、2026年上半期の店頭取引に関するレポートを公開した。
機関投資家の取引シェアが過去最高に
同社のレポートによると、スポット店頭取引(OTC取引)フローの72%を機関投資家が占めた。2025年下半期の61%、2025年上半期の59%から着実に上昇を続けている。
同社のOTCデスクにおいて、この割合は過去最高を記録した。特にビットコイン(BTC)の取引量が全体を牽引している。
主な取引相手はヘッジファンドやデジタル資産財務会社、資産運用会社、ファミリーオフィスなど多岐にわたる。大口投資家は公開された取引所での売買を避け、OTCデスクを通じた目立たない執行を好む傾向が強まっている。
機関投資家の資金は、流動性や市場の方向性を形成する上で重要な役割を果たしている。同社は今回のデータが自社の取引に基づくものであり、市場全体を代表するものではないと説明している。
しかし、大規模な資産に資金が集中し、小規模なトークンへの参加が弱いという広範な市場の傾向と一致していると分析した。
資金の集中とデリバティブへの移行
機関投資家の資金は、少数の主要なトークンに集中する傾向が顕著になっている。
2024年上半期から2026年上半期にかけて、機関投資家が取引したトークンの種類は24%の増加にとどまった。
一方で、個人の取引対象は同期間に76%拡大しており、幅広い資産に分散する個人と対照的な動きを見せている。
また、デリバティブや利回り重視の戦略への移行も急速に進んでいる。アルトコインのオプション想定元本は、2025年下半期から2026年上半期にかけて約3.4倍に急増した。
単純なスポット購入から、ヘッジやインカムゲインを目的とした構造化商品への需要が高まっている。
価格急騰後の市場参加者の動きにも明確な違いが見られる。特定のトークンが急騰した後、機関投資家の活動は約1日で落ち着く傾向がある。
対照的に、個人の関心は約3日間にわたって継続する。
広範なアルトコインの価格上昇が持続しにくい背景には、こうした資金の集中と短期的な動きがある。
さらに、米国債やMMFなど、トークン化された現実資産への関心も高まっている。暗号資産クラス全体の成熟が着実に進んでいる状況だ。
