米仮想通貨取引所のGemini(ジェミナイ)は27日、プライバシー重視の暗号資産ジーキャッシュ(ZEC)に特化したクレジットカードの提供を開始した。
この新しいカードは「Zcash Edition」と名付けられ、利用者は決済額に応じて最大4%のZECを報酬として受け取ることができる。
ジェミナイはこれまでにもビットコイン(BTC)やXRP、ソラナ(SOL)に対応したカードを発行しており、今回のZcash版はそのラインナップを拡充するものだ。
同社によると、Zcashは高度な暗号技術を用いて取引のプライバシーを保護する機能を持っており、今回のカード発行はその理念を反映したデザインとなっている。
Zcashとの長期的な連携を強化
ジェミナイとZcashの関係は深く、同社は2018年に世界で初めてZcashの取り扱いライセンスを取得した取引所となった経緯がある。
その後も2020年には規制された機関として初めて「シールド(匿名化)」された出金に対応し、2025年には統合アドレスのサポートを開始するなど、一貫してZcashのエコシステムを支援してきた。
今回のカード発行について、ジェミナイは消費者の間でプライバシー重視の金融商品への関心が高まっていることを背景に挙げている。
Zcashを利用することで、ユーザーはブロックチェーン上で公開する情報を自身で管理できるようになる。また、ジェミナイの創設者であるウィンクルボス兄弟は2025年11月にZcashの財務関連企業を支援しており、プライバシー通貨への戦略的なコミットメントを示している。
同社のデータによると、過去にジェミナイのクレジットカードでZcashを報酬として受け取り、1年以上保有したユーザーの報酬価値は大幅に上昇したという実績がある。
Zcashは現在、同社のカード利用者が選択する報酬銘柄のトップ10に入っており、その需要の高さが今回の専用カード発行を後押しした形だ。市場全体で見ても、ビットコインなどの主要銘柄は堅調な動きを見せている。
最大4%の還元率と即時付与の仕組み
新カードの発行はWebBankが行い、Mastercardのネットワークを利用する。年会費や海外取引手数料は無料となっており、米国の適格な顧客を対象に提供される。最大の特徴は、利用カテゴリーに応じた報酬構造だ。
具体的には、ガソリンスタンドやEV充電、公共交通機関での利用に対して4%が還元される。ただし、この高還元率は月間利用額300ドル(約4万5900円)までが対象となり、超過分は1%の還元となる。そのほか、外食には3%、食料品には2%、その他のすべての購入には1%の還元率が適用される。
獲得した報酬は、月次ではなく決済確定時に即座にユーザーのジェミナイ口座に入金される仕組みだ。
カード保有者はZEC以外にも、プラットフォーム上で取り扱われている50種類以上の仮想通貨に報酬の受け取り先をいつでも変更できる。その中にはイーサリアムやソラナなども含まれている。また、マスターカードの特典として、動画配信サービスの割引なども付帯している。
