暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXの共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏は21日、保有する全てのHYPEトークンを約510万ドル(約7億5,480万円)で売却した。
ブロックチェーン分析プラットフォームLookonchainによると、ヘイズ氏は96,628 HYPEを売却し、購入から1ヶ月以内に82万3,000ドルの利益(19.2%)を確定した。
この取引は、同氏が8月25日に東京で開催された「WebX 2025 Conference」で、HYPEが2028年までに126倍に急騰する可能性があるとの強気な分析を示したわずか数週間後に行われた。
HYPEは、分散型金融(DeFi)で急成長する分散型デリバティブ取引所「Hyperliquid」のネイティブトークンである。2024年11月下旬に6.51ドルでローンチされ、49ドル超の高値まで上昇し、660%の価値増加を記録した。ヘイズ氏が売却した時点でのHYPEの価格は約49.48ドルだったが、報道直後に8%以上急落した。
126倍予測から一転、売却の背景
ヘイズ氏が率いる仮想通貨ベンチャーファンド「Maelstrom」は、売却の決定要因として、今後予定されている約119億ドル(約1兆7,600億円)相当のトークンアンロック(ロックアップ解除)を挙げた。これは市場の需要を圧倒する可能性のある大規模な供給ショックと見なされている。
Hyperliquidのトークンリリース計画によると、主要貢献者向けのトークンアンロックは2025年11月30日から開始される。2027年11月30日までに、現在の価格で約110億ドル相当の合計2億3,700万HYPEが段階的に市場に放出される予定だ。
一方で、Hyperliquidプラットフォーム自体の取引量は著しい成長を遂げている。DefiLlamaのデータでは、2025年8月初旬の5億6,000万ドルから、同月24日には過去最高の34億ドルに急増した。
ヘイズ氏の当初の予測は、法定通貨の価値希薄化がステーブルコイン市場の拡大を促し、Hyperliquidの年間手数料が当時の12億ドルから最大2,550億ドルに達する可能性があるという分析に基づいていた。しかし、特にバイナンスが支援するAsterなど、競合との競争激化も市場の不確実性を高めている。
市場の反応とヘイズ氏の今後の動向
今回の売却は、仮想通貨トレーダーから即座に批判を浴びた。
ソーシャルメディア上では、強気な予測とその後の売却のタイミングが近いことから、ヘイズ氏が「パンプ・アンド・ダンプ」(価格吊り上げ後の売り抜け)に関与したと非難する声が多く上がった。
ヘイズ氏は反発に対し、ソーシャルメディアX上で売却を認め、「新しいRari 849 Testarossaの頭金を支払うため」と、最大59万ドル(約8,730万円)の高級車に言及し、ユーモアを交えて応答した。
Need to pay my deposit on the new Rari 849 Testarossa https://t.co/PX7Hx0FuK9
— Arthur Hayes (@CryptoHayes) September 21, 2025
その後、同氏はMaelstromがトークンの供給動態に関する正当な懸念を特定したため、売却が必要だったと強調し、取引を擁護した。
全ポジションを売却したにもかかわらず、ヘイズ氏はHYPEに対する長期的な強気の見通しを維持しており、2028年までに126倍の利益を達成できると依然として信じていると述べている。
売却後、同氏はEthenaのENAトークンを約100万ドル(約1億4,800万円)分購入したと報じられており、HYPEから撤退した後もDeFiセクターへの関心は継続しているようだ。
