コインベースは14日、暗号資産(仮想通貨)オプション取引所デリビットの買収を完了した。
デリビットは昨年、年間取引高が1兆ドルを超え、7月には過去最高となる1850億ドルの月間取引高を記録している。
世界的なデリバティブ市場支配へ
今回の買収は、デリビットの成長と市場での存在感を反映したものだ。買収総額は29億ドルで、現金7億ドルとコインベースのクラスA株1100万株で構成される。
買収が発表された5月時点で約300億ドルだったオープンインタレストは、8月の最終合意時点で約590億ドルに拡大していた。
コインベースは今回の統合で、ビットコイン(BTC)オプション市場約87%、イーサリアム(ETH)オプション市場約94%のシェアをデリビットから引き継ぎ、市場の中核を担う存在となる。
これまで米国内でのスポット取引やデリバティブ取引に強みを持っていた同社は、デリビットの国際的な顧客基盤と技術力を組み合わせることで、グローバルな流動性を向上させる狙いだ。
デリビットは高速な約定能力と資本効率の高いシステムで知られ、市場急変動時にも安定した取引環境を提供してきた。
この技術基盤がコインベースの既存の先物取引機能と統合されることで、スポット、先物、パーペチュアル、オプション取引を一元的に利用できるプラットフォームが実現する見通しだ。
機関需要拡大と安定収益化の動き
仮想通貨オプション市場は、1990年代の株式オプション市場に似た成長局面にあるとされ、とくに機関投資家によるリスク管理手段としての採用が進んでいる。
オプションは上昇相場だけでなく下降局面でも活用されるため、スポット取引に比べて収益が安定する特性がある。
今回の買収は複数の法域で規制承認を経ており、仮想通貨デリバティブが正規の金融商品として機関投資家に広く受け入れられつつある流れを示す。
さらに、コインベースは今後、ソラナ(SOL)など主要アルトコインのデリバティブ商品提供も拡充する予定だ。
買収後もデリビットはブランドを維持しつつ、流動性プールや技術統合を進める方針であり、業界内ではさらなる再編の引き金になるとの見方も出ている。
