ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は12日、「暗号資産(仮想通貨)は国全体にとって重要だ」と述べ、国家的な推進方針を示した。
この発言はミンスクで開かれた銀行システム業績に関する会議で行われ、同国のデジタル金融政策における方針転換を示すものとなった。
経済制裁下での戦略的転換
ルカシェンコ大統領の表明には、国際的な経済制裁の影響が背景にある。
伝統的な金融チャネルが制限される中、ベラルーシは経済の多角化と自立性確保の手段として仮想通貨の活用を模索している。
ベラルーシ国立銀行のロマン・ゴロフチェンコ総裁は、会議で「仮想通貨は定着するものであり、主流に適切な形で統合していく必要がある」と述べた。
同行は既存の規制枠組みを更新する法改正案を準備中で、デジタル資産の応用拡大に対応する構えだ。
こうした動きは、独自の仮想通貨戦略を進める隣国ロシアの方針とも関連しており、非西側諸国が連携して代替金融システムを模索する流れの一部とみられる。
ハイテクパークを基盤とした法整備
ベラルーシは17年の大統領令により、ブロックチェーン関連のIT企業に優遇措置を与える、ハイテクパークを設立している。
同パークには複数の仮想通貨取引所が登録されており、取引量は堅調に推移し、今後の政策拡大の基盤となっている。
ゴロフチェンコ総裁は、仮想通貨利用で成果を確保することを目的とした法案草案をルカシェンコ大統領に報告。大統領は提案を概ね承認したとされ、詳細は特別会議で最終決定される見通しだ。
一方で、マネーロンダリング対策や制裁対応、国民の信頼構築など課題は残る。特に米ドルなどに連動するステーブルコインの活用は、国際決済での制裁回避手段として各国で進んでいる。
今回の発言は、同国が地域における仮想通貨統合の主導を目指す姿勢を示すものとなった。
