トランプ米大統領は8日、銀行による合法事業者へのデバンキング(金融サービスの不当拒否)を禁じる大統領令に署名した。
大統領令は、銀行や規制当局による政治的・宗教的信条や暗号資産(仮想通貨)事業を理由とした金融サービス拒否を禁じ、風評リスク基準を撤廃した。
背景にある政治的動機と経済合理性
トランプ政権は、デバンキングを金融機関や規制当局による権力の乱用と位置付けている。特に保守派、銃器製造業者、仮想通貨関連事業などが不当な差別の対象になってきたと指摘する。
トランプ氏も、自社が銀行からサービスを拒否された事例を挙げ、この問題への強い関心を示してきた。今回の措置には、金融分野における政治的偏見を是正する狙いがある。
また、この大統領令はブロックチェーンやデジタル資産分野における米国の金融リーダーシップを保護するという広範な経済戦略とも一致する。
これは、2025年1月に出された仮想通貨に焦点を当てた大統領令の方針を継承している。
仮想通貨業界への影響
今回の大統領令は仮想通貨を直接名指ししてはいないが、曖昧なリスク基準の下でデバンキングの対象となってきた合法的な仮想通貨ビジネスを保護する効果が見込まれる。
政権は、取引内容にトランプやMAGAといった語が含まれるだけで銀行が警告を発した事例を示し、政治的動機に基づく差別を問題視している。
規制当局には、過去のデバンキング事例を調査し、違反が確認された場合に罰金や同意命令を課すことを義務付ける。中小企業庁も、不当にサービスを打ち切られた顧客の取引再開を金融機関に働きかける。
トランプ米大統領は2025年1月、米ドルの優位性維持を目的に中央銀行デジタル通貨(CBDC)を禁止し、デジタル資産の技術革新を促す作業部会設置の大統領令にも署名した。
これらの政策は、ビットコイン(BTC)など既存の仮想通貨や仮想通貨投資環境に影響を及ぼしている。
デバンキング対策と仮想通貨の革新支援という二つの方針は、金融における偏見排除と米国の技術的優位確保を狙う政権の戦略を示している。
