トランプ家に関連するDeFiプロジェクト、World Liberty Financial(WLF)は日本時間7月18日、WLFIトークンを今後6〜8週間以内に譲渡可能にすると明らかにした。
この決定は17日に終了したガバナンス投票で、トークン保有者の99.94%が譲渡の有効化に賛成したことを受けた措置だ。WLFIは2024年後半にローンチされたが、当初は譲渡が制限されており、WLF内のガバナンス用途に限定されていた。
市場の期待と戦略的背景
WLFIの譲渡不可能な構造は、流動性と幅広い実用性を求める声から、継続的な批判に直面していた。今回の決定はそうした市場の要請に応じたものとみられる。
WLFIはICOとは異なる手法で資金を集めており、厳選された参加者を対象にトークンを配布してきた。
市場外取引では、完全希薄化後の時価総額が160億ドル(約2兆3700億円)に達し、暗号資産(仮想通貨)市場で11位に位置づけられている。この投機的関心の高まりが、譲渡可能化の背景にある。
WLFは6〜8週間という猶予期間について、戦略的提携や主要取引所での上場準備が理由と説明しており、複数の取引所や機関投資家と協議が進行中だという。
機能転換と規制の動向
WLFIは今後、ガバナンス手段にとどまらず、個人間送金や取引所売買も可能な資産へと転換される。これにより保有者は初めて実質的な取引価値を享受する。
WLFは急激な価格変動を避けるため、スマートアンロックと呼ばれる段階的なトークン公開を計画している。また、Aaveを基盤にしたホワイトラベル型のデリバティブプラットフォーム開発も進行中だ。
一方、同トークンの政治的背景には規制リスクも付きまとう。エリザベス・ウォーレン上院議員は米証券取引委員会(SEC)に対し、利益相反の懸念を提起している。
仮想通貨投資には高いリターンの可能性がある一方、規制や市場変動の影響を受けやすく、大きな価格変動リスクを伴うため、慎重な判断が求められる。