米国証券取引委員会は17日、大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンの現物リップルETF(上場投資信託)に関する判断を延期すると開示した。
新しい判断期限は7月22日に設定された。SECはこの決定について、提案に関するパブリックコメントを求めるための手続きの一環であると説明している。
フランクリン・テンプルトンは運用資産1.4兆ドルを誇る企業で、2025年3月にこのETFを申請していた。
訴訟の行方がETF承認の鍵に
今回の延期の背景には、リップル社とSECの間で進行中の訴訟が大きく影響している。この訴訟は、暗号資産(仮想通貨)であるXRPが有価証券に該当するかどうかを巡るもので、8月15日に次の状況報告書が提出される見込みだ。
この判決結果は、リップルの法的地位を明確にし、ETF承認への道を左右する重要な要素となる。SECは、市場操作のリスクや投資家保護基準の遵守に関する懸念を審査理由として挙げている。
フランクリン・テンプルトンの申請は、ビットワイズや21シェアーズといった他の企業との競争にも直面しており、機関投資家の間でリップルへの関心が高まっていることを示している。
市場の期待と各国の規制動向
判断は延期されたものの、市場のセンチメントは依然として楽観的だ。予測プラットフォームのPolymarketは、訴訟でリップル社に有利な判決が出れば、2025年後半までに現物リップルETFが承認される確率を88%と見積もっている。
一方、米国の規制当局が慎重な姿勢を示す中、カナダでは異なる動きが見られる。
同国のPurpose Investments社は、北米初となる現物リップルETFを6月18日にトロントで上場させており、国による規制環境の違いが浮き彫りになっている。
フランクリン・テンプルトンのジェニー・ジョンソンCEOは、仮想通貨が金融の未来で果たす役割を強調しており、同社の姿勢はウォール街全体のデジタル資産への関心の高まりと一致する。
なお、同社が申請中のソラナETFも審査が延長され、新たな期限は2025年11月に設定された。