Ink財団は17日、イーサリアムのレイヤー2ネットワークInkの独自トークン、INKを発行する計画を明らかにした。
初回のINKトークンのエアドロップは、ネットワーク上で近く公開されるAave基盤の流動性プロトコルの早期利用者に提供される。
Inkブロックチェーンは、米国の暗号資産(仮想通貨)取引所Krakenによって2024年12月18日に立ち上げられた。
INKトークンは、Krakenが自社のユーザーベースに分散型金融(DeFi)へのアクセスを向上させるために開発したレイヤー2ブロックチェーンInkのネイティブ通貨である。
Inkは、中央集権型取引所(CEX)とDeFiエコシステムを繋ぐという同社の使命の一環として開始された。
同ネットワークは、スケーラビリティと相互運用性を目指すモジュラーフレームワークであるOptimismのSuperchain上で稼働する。これにより、複雑なDeFi操作でもガス代を抑えた取引が可能になる。
Krakenの戦略とAaveとの連携
Ink財団はネットワークを監督する独立組織であり、10億INKトークンを配布する計画だ。
最初のエアドロップは、Aaveの貸借機能などを実装するとみられる新プロトコルへの流動性供給者をターゲットにしている。このような仮想通貨エアドロップは、初期の貢献者に報いるための一般的な手法である。
KrakenがInkを立ち上げた背景には、1000万人を超える巨大なユーザー基盤を活用してDeFiの普及を促進するという戦略がある。
同取引所を通じて規制されたオンランプを提供することで、特に技術に不慣れなユーザーにとってのDeFiの利用しやすさを改善する狙いだ。
OptimismのOP Stackを採用したことで、スケーラビリティやイーサリアムのツールとの互換性が確保される。これにより、既存のOptimism開発者やユーザーをInkのエコシステムに引きつける可能性がある。
さらに、DeFi分野で確立されたAaveとの提携は、プロトコルに信頼性と安定性をもたらす。規制された枠組みの中で利回りを求める機関投資家や個人投資家からの流動性を集めることが期待される。
トークン配布と今後の展望
エアドロップのインセンティブは、流動性を提供したり、テスト段階に参加したりする初期ユーザーを優先する設計だ。これは、分散化とトークンの実用性を確保するための一般的なレイヤー2ネットワークの戦略に沿っている。
10億INKトークンの正確な割り当ては未定だが、段階的なエアドロップやエコシステムへのインセンティブを通じて配布される見込みだ。Krakenの従業員や貢献者にも割り当てられる可能性がある。
Inkは、Optimism基盤のBaseやGearboxといった他のレイヤー2ネットワークとの競争に直面する。しかし、Krakenが規制された事業者であることが、コンプライアンスを重視するユーザーや機関投資家にとっての魅力となるかもしれない。
この展開により、Krakenは競争の激しい仮想通貨取引所市場でサービスを拡大しつつ、DeFiの普及に影響を与える立場を固めることになる。INKトークンのような新しいアルトコインの登場は、市場の多様性を高める上で重要だ。