永続分散型取引所(DEX)のハイパーリキッド(HYPE)はこのほど、2025年5月の月間取引高が2483億ドル(約35兆7592億円)の過去最高を記録した。
分散型金融(DeFi)情報収集・分析サイトのDeFi Llamaの報告によると、同プラットフォームは取引手数料とティッカーオークション(銘柄使用権の入札競争)手数料から7045万ドル(約101億4480万円)の収益を上げた。
これは4月の1870億ドル、3月の1750億ドルを大幅に上回る実績となった。
機関投資家の参入が成長を牽引
ハイパーリキッドの急成長は、大手機関投資家の参入が主要因となっている。
Jump TradingやHRTなどの主要マーケットメーカーが数千億ドル規模の取引を同プラットフォームで実行していると報告されている。
同プラットフォームは高性能なHyperEVM Layer-1ブロックチェーン上で動作し、デリバティブ(金融派生商品)取引に特化している。
機関レベルの流動性と低手数料構造により、DeFi分野での採用が拡大している。
興味深いことに、同プラットフォームの主要な商品の一つである「Hyperliquid Perpetual(HLP)」の取引量は、全体の取引高の2%にも満たない状況だった。
この事実は、同プラットフォームが永続スワップ(無期限先物)市場において支配的な地位を占めているという一部でなされていた主張とは、対照的な結果を示している。
ネイティブトークンHYPEが史上最高値を更新
同プラットフォームのネイティブトークンHYPEは5月23日に20%上昇し、史上最高値の37.17ドル(約5353円)を記録した。
この価格上昇は戦略的パートナーシップと規制動向への期待が背景にある。
HYPEは時価総額でチェーンリンク(LINK)、アバランチ(AVAX)、ステラルーメン(XLM)を上回り、暗号資産(仮想通貨)市場で第12位の地位を獲得した。
現在はスイ(SUI)に迫る位置につけている。
5月30日には24時間で12.3%上昇し、24時間取引量も31%急増して4億9887万ドル(約718億3728万円)に達した。
5月の急成長は、より広範な仮想通貨市場の楽観的な雰囲気と時期を同じくしている。
ハイパーリキッドの成功は、ソラナ(SOL)など他のレイヤー1ブロックチェーンプロジェクトにも影響を与える可能性がある。
さらに、こうした個別のトークンの高騰は、アルトコイン市場全体への関心を高めることにも繋がるだろう。