ホワイトハウスは20日、暗号資産(仮想通貨)法案におけるステーブルコインの報酬規定を巡る協議の期限を3月1日に設定した。
銀行業界と仮想通貨業界の対立
米上院で審議中のデジタル資産市場明確化法案(Clarity Act)は、ステーブルコインの報酬規定を巡り膠着状態に陥っている。
この問題が、米国の仮想通貨市場における包括的な規制ルールの確立を妨げる最大の要因となっている。焦点となっているのは、ステーブルコインの保有者に対して利回りや報酬の受け取りを許可するかどうかという点だ。
伝統的な銀行業界は、報酬の付与が預金の流出を招き、貸出能力を低下させるとして全面禁止を求めている。
一方で、コインベースなどの仮想通貨企業は、報酬プログラムを不可欠なインフラと位置づけている。同社は収益の約20%をステーブルコインの報酬から得ており、規制強化に強く反発している。
ホワイトハウスのパトリック・ウィット仮想通貨顧問は20日、関係者を集めた3回目の協議を主導した。会議は建設的だったとされるものの、最終的な合意には至らなかった。
しかし、政府側は次期法案に限定的な報酬規定を残す方針を固めており、銀行側に妥協を迫る形となっている。このような規制の動向は、今後の仮想通貨投資の環境にも大きな影響を与えるだろう。
法案成立に向けた今後の見通し
現在検討されている妥協案は、単なる保有に対する利子付与を禁じる一方で、特定の取引や活動に結びついた限定的な報酬を許可する内容だ。
これは銀行側の懸念に配慮しつつ、業界の機能を維持しようとする試みといえる。仮想通貨業界は、利子を付与する中国のデジタル人民元を引き合いに出し、国際的な競争力を保つためにも報酬の許可が必要だと主張している。
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は、市場の将来を見据えた法案の成立を公に支持している。
また、リップルのブラッド・ガーリングハウスCEOは、4月末までに法案が可決される確率を80%と予測した。予測市場でも年内の成立確率は83%と高く見積もられており、関係者の期待が高まっている。
ホワイトハウスは今後数週間以内に、妥協案を反映した修正法案を提示する予定だ。銀行側がこの修正案を受け入れれば、上院での法案通過の可能性は大幅に高まる。
3月1日の期限に向けて、関係者間の調整が急ピッチで進められる見込みだ。法案の行方は、ビットコインをはじめとする主要銘柄の価格推移にも影響を及ぼす可能性がある。
