イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は26日、予測市場ポリマーケット(Polymarket)で昨年7万ドル(約1070万円)の利益を上げたと明らかにした。
ブテリン氏はタイのチェンマイで開催されたコミュニティとの会合で、2025年を通じて予測市場に参加していたことを語った。報道によると、同氏は約44万ドル(約6730万円)の元手を運用し、16%の収益率を記録したという。
自身の戦略を「アンチ狂気モード」と表現している。市場が過熱し、人々が非合理的な予測に夢中になっている局面を見極め、「クレイジーなことは起こらない」という方向に賭けるシンプルな手法だ。
具体例として、ドナルド・トランプ氏のノーベル平和賞受賞や、市場パニック時の米ドル崩壊といった極端な事象に対し、否定的なポジションを取ったことを挙げた。感情的な予測が飛び交う市場こそ、冷静な判断で収益を上げる機会になると強調している。
急成長する予測市場と競争の激化
予測市場セクターは2025年に爆発的な成長を遂げた。ポリマーケットのアプリインストール数は1年間で1200%増加し、プラットフォーム全体の週間取引高は5億ドルから60億ドル近くまで急増している。このような市場の盛り上がりを受け、仮想通貨ランキングの上位銘柄への関心も高まっている。
市場シェア争いも激化している。2025年末時点で、規制に準拠した予測市場カルシ(Kalshi)が42%のシェアを獲得し首位に立った一方、ポリマーケットも41%と僅差で続いている。
ブテリン氏は以前から予測市場に関心を持っており、2020年の米大統領選でも約5万8000ドル(約880万円)の利益を上げている。同氏は、こうした市場が一部のエリートだけでなく、誰もが参加できる「社会的認識技術」として機能することを期待している。
投機偏重への懸念と本来の目標
ブテリン氏は現在の暗号資産(仮想通貨)業界に対し、苦言も呈している。ブロックチェーン技術は進歩しているものの、業界全体が「5〜10年前に設定した目標」から逸脱し、投機的なミームコインばかりに注目が集まっていると指摘した。多くの投資家がミームコインランキングを注視しており、過熱感が続いている。
同氏は、業界が単なる「カジノ」になることを防ぎたいと考えている。ポリマーケットなどのプラットフォームでも、短期的な価格変動やスポーツの勝敗といった賭け事の側面が強まっていることに懸念を示した。
今後は「分散型Uber」のような実用的なアプリケーションや、法定通貨ではなく消費者物価指数(CPI)に連動するステーブルコインなどの開発が必要だと訴えた。
ブテリン氏は2026年までに分散型ソーシャルネットワークへの完全回帰を目指すとも述べている。こうした発言は、今後のイーサリアム(ETH)のエコシステムにも影響を与えそうだ。
