著名なブロックチェーン探偵のZachXBTは26日、米国政府が管理するウォレットから巨額の暗号資産(仮想通貨)が盗まれた事件に関与した人物を特定した。
政府契約企業の親族による犯行か
ZachXBTの調査によると、ジョン・ダギタという人物が、米国政府の押収用アドレスから4000万ドル(約63億2000万円)以上を盗んだ疑いが持たれている。
この人物は、CMDSS社の社長ディーン・ダギタ氏の息子であるとされている。
CMDSS社は2024年に米連邦保安官局(USMS)と契約し、押収された仮想通貨の管理業務を請け負っていた企業だ。
今回の盗難は、同社との家族関係を利用した内部アクセスによって実行された可能性が高い。
ZachXBTは、ダギタ氏が少なくとも2300万ドル(約36億3400万円)を自身のウォレットに直接移動させた形跡を確認している。
盗まれた資金の一部は、事件発生から24時間以内に回収されたものの、約70万ドル(約1億1000万円)は未回収のままだ。
このような内部犯行は、外部からの仮想通貨詐欺と同様に深刻な脅威となり得る。
政府機関の委託先選定や管理体制の甘さが、巨額の資金流出を招いた形となる。
以前から競合他社はCMDSS社の資格や利益相反について懸念を示していたが、契約は維持されていた。
過去のハッキング資金も流出
今回の調査では、2016年のBitfinexハッキング事件に関連して政府が押収していた資金も被害に遭ったことが判明した。
2024年3月には、単一の取引で2490万ドル(約39億3400万円)が不正に移動されていたという。Bitfinex事件の押収資金は本来、厳重に管理されるべき資産であり、その流出は衝撃を与えている。
巨額の資産を保護するためには、インターネットから遮断されたコールドウォレットおすすめの運用が不可欠である。
ZachXBTは、ダギタ氏に関連するウォレットアドレスが、世界中で合計9000万ドル(約142億2000万円)以上の盗難資金に関与していると分析している。
その中には、米国政府以外の被害者から盗まれた資産も含まれているようだ。
同氏はオンライン上で「Lick」という名前でも知られており、広範囲な不正活動に関わっていたと見られる。
ダギタ氏に関連する別のウォレットでは、2025年の第4四半期に「疑わしい情報源」から6300万ドル(約99億5400万円)を取得していたことも明らかになった。
これらの資金移動は複雑な経路を辿っているが、ブロックチェーンの透明性が追跡を可能にした。
SNSでの行動が特定の手がかりに
ダギタ氏の特定に至ったきっかけは、チャットアプリ「テレグラム」での軽率な行動だった。
In case you are curious how John Daghita (Lick) was able to steal $40M+ from US government seizure addresses.
John’s dad owns CMDSS, which currently has an active IT government contract in Virginia.
CMMDS was awarded a contract to assist the USMS in managing/disposing of… https://t.co/lzR2a1aidA pic.twitter.com/PV0IkSuhVy
— ZachXBT (@zachxbt) January 25, 2026
同氏は別のハッカーに対して自身の資産を誇示するため、ウォレットの中身を公開したり資金移動を行ったりしていた。
このやり取りが決定的な証拠となり、ブロックチェーン上の追跡が可能になったという。
ダギタ氏は「Dritan Kapplani Jr.」という人物とのチャット内で、Exodusウォレットの画面を共有していた。富を見せびらかす行為が、皮肉にも自身の犯罪を暴く結果となった。
告発を受け、CMDSS社はX(旧Twitter)やLinkedInのアカウントを即座に削除し、ウェブサイトからも従業員情報を消去した。
現時点で公式な逮捕情報は発表されていないが、法執行機関による捜査が進んでいると見られる。
今回の暴露を受け、政府機関における仮想通貨管理の監査や、契約業者の審査プロセスに対する監視が強化されることは必至だ。
個人投資家においても、セキュリティの高い仮想通貨ウォレットおすすめを選び、自己防衛に努める必要があるだろう。
