トルコ政府は9月30日、違法行為が疑われる銀行口座や暗号資産(仮想通貨)口座を凍結する広範な権限を金融犯罪監視機関に与える法案の審議を計画していることが明らかになった。
金融犯罪対策の強化とMASAKの権限拡大
ブルームバーグが報じた公式情報によると、この法案はトルコのマネーロンダリング対策機関である金融犯罪調査委員会(MASAK)の権限を大幅に拡大するものだ。
法案が可決されれば、MASAKは疑わしい取引に関連する銀行口座や仮想通貨ウォレットを凍結・閉鎖する権限を持つことになる。特に、個人が犯罪組織に口座を貸し出す「レンタル口座」の慣行を標的としている。
具体的な措置として、取引制限の導入、モバイルバンキングの停止、仮想通貨ウォレットアドレスのブラックリスト化などが含まれる。これにより、決済システムや銀行、仮想通貨取引所全体でのアクセス制限が可能となる。
FATF勧告と国内の経済事情が背景に
今回の法規制強化の主な目的は、マネーロンダリング対策の国際基準を設定する金融活動作業部会(FATF)の勧告に沿った体制を構築することにある。トルコはFATFの監視リストに掲載されており、金融犯罪防止策の強化を求められていた。
背景には、国内の経済状況も影響している。2018年以降続くトルコリラの価値下落と高インフレを受け、多くの国民が資産保全のためにドルに連動するステーブルコインやビットコイン(BTC)などの仮想通貨を利用し始めた。
仮想通貨の利用拡大は、マネーロンダリングの新たな温床となる脆弱性を生み出しており、規制監督の必要性が高まっている。
財務省も並行して、仮想通貨取引所に対し取引の出所や目的に関する詳細な情報収集を義務付ける規制を準備している。特に米ドルなどに連動するステーブルコインの利用実態の把握が急がれている。
