テザー、金裏付けトークンXAUTに少額新単位「Scudo」を導入

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私たちを信頼する理由
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テザーゴールドのロゴが入った巨大な金貨が、精密な光のグリッドによって小さな単位「Scudo」に分割されている様子

ステーブルコイン発行大手のテザー社は6日、同社の金裏付けトークンであるTether Gold(XAUT)向けに、新たな計算単位「Scudo(スクード)」を導入したと明かした。

小額取引の利便性を向上させる新単位

テザー社が発表したScudoは、トークン化された金の取引をより直感的かつ簡便にするために設計された新しい単位だ。

1Scudoは正確に1000分の1トロイオンスの金と定義されており、これはXAUTトークンの1000分の1に相当する。

これまで、金価格の高騰に伴い、少額の金を取引する際には小数点以下の複雑な計算が必要となる場面が多く見られた。

今回の新単位導入は、こうした実務上の課題を解決するための措置である。

この仕組みは、ビットコイン(BTC)における最小単位「Satoshi」の概念に近い。

ビットコインがSatoshiという単位を用いることでマイクロトランザクション(少額決済)を容易にしたように、Scudoもまた、日常的な経済活動の中で金をより扱いやすくすることを目指している。

テザー社は、Scudoの導入によってXAUTの基本的な構造や裏付け資産、償還メカニズムに変更はないと強調している。

XAUTは引き続き、スイスの保管庫に保管された物理的な金によって完全に裏付けられており、各トークンは実際の金の所有権を表している。

金需要の高まりとデジタル化の課題

Scudo導入の背景には、世界的な金価格の記録的な高騰と、インフレヘッジとしての金需要の急増がある。

2025年を通じて金価格は大幅に上昇したが、これは持続的なインフレ懸念や金利の不確実性、さらには中央銀行による積極的な金の購入が要因となっている。

多くの人々が購買力の低下やマクロ経済の変動から資産を守るために金を求めている状況だ。

一方で、テザー社は金の価値の保存手段としての信頼性は高いものの、交換手段としての実用性が低下している点に注目した。

特にデジタル環境において、端数単位の金を取引する際の計算の煩雑さは、ユーザー体験を損なう要因となっていた。

同社は、法定通貨システムへの移行や無制限な通貨発行がインフレ圧力を招いていると指摘し、中立的な価値の保存手段としての金への関心が機関や個人を問わず再燃していると分析している。

Scudoは、こうした市場環境において、金の実用性を高めるための重要なツールと位置付けられている。

また、資産防衛の観点から仮想通貨長期保有を検討する投資家にとっても、金裏付け資産は魅力的な選択肢となるだろう。

インフラ整備と市場の拡大

Scudoの展開は、ブロックチェーン技術を通じて伝統的な資産クラスへのアクセスを現代化するという、テザー社の広範なインフラ戦略の一環とされる。

同社はScudoに加え、企業や開発者、AIエージェント仮想通貨がXAUTやその他のステーブルコイン、ビットコインを扱う自己管理型ウォレットを展開できるようにする技術レイヤーもリリースした。

テザー社のパオロ・アルドイノCEOは、「金はビットコインと並び、究極の価値の保存手段としての役割を再び証明している」と述べている。

同氏は、Scudoが金の所有や価格設定、取引を容易にすることで参入障壁を下げるとし、ユーザー体験の向上がデジタル資産業界における最大の課題の一つであると指摘した。

市場データによると、2025年12月までにTether Goldの時価総額は数ヶ月で倍増しており、従来の保管や管理の複雑さを伴わずに金を保有したいという需要の強さを反映している。

テザー社は、Scudoがデジタル経済における価値の保存と交換の両面で金の実用性を強化し、簡素化された価格設定や会計を通じて日常的な経済活動を促進する可能性があるとしている。

著者: 松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。