米証券取引委員会(SEC)は29日、暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンスおよびチャンポン・ジャオ元CEOに対する訴訟を正式に取り下げた。
2年越しの法的紛争に終止符
SECは2023年6月5日、バイナンス・ホールディングスやBAMトレーディング・サービシズなど関連企業と、ジャオ元CEOを相手取り民事訴訟を提起した。
訴状では、バイナンスが無登録の取引所・ブローカー・清算機関として運営していたとして、計13件の違反行為が列挙されていた。
その後、SECは2024年6月に一部の訴因を取り下げ、ステーブルコイン「BUSD」や「シンプルアーン」プログラムに関連する主張を撤回した。
そして2025年5月29日、SECとバイナンスは共同で訴訟の棄却申立書を提出し、長期にわたる法的紛争に終止符が打たれた。
米ドルサービス再開と事業再建の動き
訴訟の解決に先立ち、バイナンスUSはすでに事業再建に向けた動きを加速させていた。
同社は2025年2月19日、米ドルの入出金サービスを再開した。訴訟期間中に既存の銀行パートナーを失っていたが、新たな銀行との提携関係を構築し、米ドル建て取引ペアへのアクセスも回復している。
こうした動きの背景には、規制環境の変化がある。トランプ政権の発足以降、仮想通貨業界に対する当局の姿勢はバイデン政権時代と比べて大きく軟化したと指摘されている。SECによる訴訟取り下げも、この流れの一環とみられており、業界全体にとって規制面での不透明感が和らぐ動きとなっている。
バイナンスUSは今後、米国市場での事業基盤をさらに強化していく方針だ。訴訟終結を機に、同社が米国内でのサービス拡充に向けた具体的な取り組みを本格化させるか、市場関係者の注目が集まっている。
今回の訴訟解決が取引所事業運営に与える影響について関心が高まっており、仮想通貨海外取引所ランキングにおける同社の位置づけにも変化が生じる可能性がある。
