ロシア当局は24日、メッセージアプリ大手テレグラムの創設者パヴェル・ドゥーロフ氏に対し、テロ活動を助長した疑いで刑事捜査を開始した。
テロ関与の疑いとロシア当局の主張
ロシア連邦保安庁は、テレグラムが2022年以降、153,000件以上の犯罪に関与したと主張している。
このうち33,000件は、破壊工作やテロリズム、過激派活動に関連するものだという。具体例として、145人が死亡した2024年3月のテロ事件や、著名人の暗殺事件が挙げられている。
ロシア当局は、ドゥーロフ氏が法執行機関への協力を拒否していると非難している。また、通信監督局からの違法コンテンツ削除を求める150,000件以上の要請を無視したと指摘した。こうした動きは、ロシア国内でテレグラムの利用を制限するキャンペーンの一環とみられている。
ロシアは今月10日からアプリの通信速度を大幅に制限し、一部地域では事実上のブロック状態となっている。同時に、当局は代替手段として国営アプリの利用を推奨している。
これに対しドゥーロフ氏は、監視と政治的検閲を目的とした国家統制アプリへの移行を強制するものだと強く批判した。独立系メディアは、新たな軍事動員に伴う抗議活動を当局が警戒していると分析している。また、同アプリは匿名性が高いため、仮想通貨詐欺の温床になっているとの指摘も少なくない。
ドゥーロフ氏の過去と各国の規制圧力
ドゥーロフ氏とロシア政府との間には、複雑な対立の歴史がある。
同氏は2014年、自身が立ち上げたSNSでの野党コミュニティ閉鎖やユーザーデータの引き渡し要求を拒否し、ロシアを出国した。その後、ロシアは2018年にもテレグラムのブロックを試みたが、技術的な問題から2020年に制限を解除している。
一方で、ドゥーロフ氏は欧州でも法的な問題に直面している。2024年8月にはフランスの空港で拘束され、児童性的虐待コンテンツの配布や麻薬密売、資金洗浄などに加担した疑いで起訴された。
フランスの検察当局は、同氏が11年間にわたり司法からの要請にほとんど応じていなかったと指摘している。さらに、マネーロンダリングの手段としてイーサリアムなどの利用が疑われるケースも捜査対象となっている。
その後、同氏は5,000,000ユーロ(約8億2,500万円)の保釈金を支払い、条件付きで釈放された。2025年11月には渡航禁止措置が解除されたものの、フランスでの刑事捜査は現在も続いている。
この事件を契機に、テレグラムは欧州の法執行機関からの要請に積極的に応じる姿勢を示している。2025年にはコンテンツの監視体制を強化し、34,000,000以上の違法なグループやチャンネルをブロックしたと報告している。今後はビットコインを用いた不正取引への対策も急務とされている。
