リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは15日、暗号資産(仮想通貨)企業は伝統的な金融機関と同じ法律や規制に従う場合、同等の利益を受けるべきだと主張した。
ワシントンD.C.で開催されたフィンテックウィークで登壇した同氏は、規制の公平性を強く訴えた。
仮想通貨業界がマネーロンダリング対策(AML)や本人確認(KYC)、外国資産管理局(OFAC)のコンプライアンスに関して同じ基準で評価されることに同意する一方で、仮想通貨企業も「連邦準備制度理事会(FRB)のマスター口座のような仕組みに同じようにアクセスできるべきだ」と述べた。
「一方を認めながら、もう一方に反対することはできない」と、規制対応の矛盾点を指摘した。
規制の公平性を求めFed口座アクセスを要求
ガーリングハウス氏は、リップル社が現在、通貨監督庁(OCC)から連邦銀行免許を申請中であり、子会社であるStandard Custody & Trust Co.を通じてFRBのマスター口座へのアクセスを求めていることを認めた。
同社は過去に米証券取引委員会(SEC)との法廷闘争を経験している。この点について同氏は、「1億5,000万ドル(約228億円)の訴訟と連邦判事を通じて明確性を得る必要があった」と振り返り、「業界全体がその同じ明確性を得るべきだ」と語った。
今回のイベントには、アマゾン・ウェブ・サービス、ビザ、ロビンフッド、サークル、チェーンリンク、シティバンクといった主要企業がスポンサーとして参加しており、デジタル資産の統合に対する機関投資家からの支持が拡大していることがうかがえる。リップルの今後の展開には、こうした業界全体の動向が大きく影響する可能性がある。
大手銀行の姿勢に変化、提携に関心
ガーリングハウス氏は、仮想通貨企業がFRBのマスター口座にアクセスすることに反対するウォール街の銀行ロビイストを「偽善的で反競争的だ」と批判した。しかし、最近可決されたGenius Actが状況を変え始めていると指摘。
「3年前には我々と話をしなかった銀行が、今では『どうすれば提携できるか』と前向きになっている」と明らかにした。具体的には、シティバンク、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガンといった大手金融機関が、以前の消極的な姿勢から一転し、リップルとの対話に乗り出しているという。
この変化の背景には、リップル社が計画するステーブルコインプロジェクト「RLUSD」への関心の高まりもあるようだ。また、SECの委員長や大統領が交代しても規制方針が後退する可能性は低いとの見方を示した。
ガーリングハウス氏は、仮想通貨企業へのマスター口座アクセスを許可することが、伝統的な銀行のロビー活動の主張とは反対に、「金融システムの安定性、監督、リスク管理を強化する」と主張した。
同氏は「リップルはXRPをコントロールしていない」という立場を改めて明確にし、「規制の不確実性は過去のものとなった」と宣言した。
デジタル資産の採用に関して強気の勢いがあると楽観的な見通しを示す一方で、「大手銀行や大企業は依然として様子見の姿勢だ」とも認め、さらなる規制の明確化が待たれている現状にも言及した。
