マレーシアのジョホール州皇太子イスマイル・イブラヒム氏は9日、自身の通信会社Bullish Aimを通じ、マレーシアリンギット連動のステーブルコイン「RMJDT」をローンチした。
このプロジェクトは、クロスボーダー貿易におけるリンギットの利用拡大を目指している。
また、マレーシアへの海外直接投資を呼び込むための触媒としての役割も期待されている。
RMJDTは、政府や企業をWeb3経済に接続するために設計されたブロックチェーン「Zetrix」上で発行される。
今回のローンチは、マレーシア証券委員会と中央銀行が管理する規制サンドボックスの枠組みの下で行われた。
このサンドボックスは、金融革新をテストするために2025年6月に設立されたものである。
マイクロストラテジーをモデルにした財務戦略
Bullish Aimは同時に、デジタル資産トレジャリー(DAT)会社を設立したことも明らかにした。
初期配分として5億リンギット(約1億2150万ドル)相当のZetrix(ZETRIX)トークンを保有する。
同社は今後、この保有額を2億4300万ドルまで増やす計画だ。このモデルは、ビットコインを大量保有する米ストラテジーの戦略を参考にしているという。
イスマイル氏は、Zetrixトークンの保有について「運用の安定性を支え、国家ブロックチェーンとの連携を深めるための戦略的必要性がある」と述べている。
この取り組みは、マレーシアのデジタル資産国家政策とも整合している。企業による仮想通貨投資が拡大すれば、経済全体への波及効果も期待できるだろう。
市場の懸念とプロジェクトの展望
一方で、市場では「DATバブル」への懸念も指摘されている。CoinSharesのリサーチ責任者は、2025年夏の価格上昇後にバブルが崩壊した可能性があると分析している。
市場は現在、どの企業が真にDATモデルに適しているかを再評価している段階だ。企業のバランスシートにおけるデジタル資産の役割について、現実的な期待を持つことが重要視されている。
それにもかかわらず、イスマイル氏は強気な姿勢を崩していない。
今回の動きは、東南アジアにおける国家デジタル通貨の競争環境において、マレーシアの存在感を高める可能性がある。
今後、ステーブルコインを活用した新たな金融サービスが次々と登場することが予想される。
