暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏はこのほど、新たな改善提案「EIP-8141」を通じてアカウント抽象化のアップグレードを完了させると発表した。
アカウント抽象化をプロトコルレベルで統合
ブテリン氏によると、EIP-8141は「フレームトランザクション」と呼ばれる複数ステップのトランザクションモデルを導入する。
この仕組みを通じて、複数処理のまとめやガス代の代払い、プライバシー機能がプロトコルレベルで標準サポートされる。
同氏は、このアップグレードが「Hegota(ヘゴタ)」フォークを通じて1年以内に実装される可能性があると述べている。
現在、イーサリアムは秘密鍵で管理される外部所有アカウントと、プログラムで動くスマートコントラクトアカウントの2種類で運用されている。
この構造は、ユーザーが秘密鍵を厳重に管理し、手数料をイーサリアムのみで支払う必要があるなど、使い勝手の面で課題があった。
EIP-8141は、以前導入されたERC-4337の仕組みを発展させ、アカウント抽象化をプロトコル自体に深く組み込むことを目指している。
この統合は、これまでの迂回策への依存を減らし、ネットワーク全体の効率を向上させると期待されている。
ただし、プロトコルの変更には後方互換性の維持やセキュリティの確保が不可欠だ。
そのため、正式な承認を得るまでに、コミュニティ主導のガバナンスモデル内で広範な審査と議論が行われる見通しだ。
ユーザビリティ向上と今後の展望
アカウント抽象化が完全に実装されると、仮想通貨の利便性は劇的に向上する。
具体的には、イーサリアム以外のトークンでのガス代支払いや、複数の操作を1回の承認で済ませることが可能になる。
さらに、紛失した鍵を復元するソーシャルリカバリー機能や、複数人での署名認証なども容易に導入できるようになる。
これまで、シードフレーズや秘密鍵の管理といったウォレットの複雑さは、新規ユーザーにとって大きな障壁となっていた。
そのため、初心者には使いやすいイーサリアムウォレットを選ぶことが推奨されている。
アカウント抽象化はこれらの課題を解決し、ブロックチェーンの操作を一般的なウェブサービスやモバイルアプリのように直感的なものにする。
また、イーサリアムの拡張性を支えるレイヤー2ネットワークともスムーズに連携し、柔軟性をさらに高めることができる。
開発者らは、このアップグレードによって断片化したウォレット機能への依存を減らしたいと考えている。
競合する他のスマートコントラクトプラットフォームが増加する中、イーサリアムの競争力を維持する狙いもある。
EIP-8141が実現すれば、一般ユーザーや企業にとって仮想通貨がより身近な存在になることが期待されている。これから投資を始める人は、イーサリアム買い方を事前に確認しておくと良いだろう。
