仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者アーサー・ヘイズ氏は12月、日本の国債利回り上昇に関する懸念を表明した。
同氏は、日本の利回りが上昇することで、海外にある日本資金が国内に戻る「レパトリエーション(資金還流)」が起きると指摘している。
これが結果として、米国債の需要減少につながる可能性があるという。
日銀の政策変更が引き金に
今回の警告の背景には、日本銀行による歴史的な政策転換がある。日銀は30年近く続いた大規模な金融緩和策を終了し、政策金利を0.75%に引き上げた。
さらに、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃も決定している。
この政策変更により、日本の国債利回りは急上昇した。10年物国債の利回りは2.02%、30年物は3.436%と、数十年ぶりの高水準に達している。
これまで約1兆1000億ドル(約173兆8000億円)もの米国債を保有していた日本の機関投資家にとって、利回りが向上した国内債券の魅力が増している状況だ。
ヘイズ氏は、この動きが世界の資金配分の構造を根本的に変えると分析している。日米の金利差が縮小することで、日本の投資家が海外の債券を保有し続けるインセンティブが低下しているためだ。
仮想通貨と米国経済へのリスク
この市場構造の変化は、すでに資産価格に影響を与え始めている。
日本の金利上昇を受けて市場ではリスク回避の動きが広がり、ビットコイン(BTC)価格は一時、8万7000ドル(約1374万6000円)を割り込む場面が見られた。
市場の混乱が続けば、さらなる仮想通貨暴落のリスクも否定できない。
ヘイズ氏は、米国債市場がさらなる圧力に直面すると予測している。米10年債利回りが5%から6%にまで上昇し、小規模な金融危機を引き起こす可能性もあると警鐘を鳴らした。
市場のボラティリティ(価格変動)が高まれば、証拠金要件の引き上げにより、ヘッジファンドなどによる債券購入が急速に減少する恐れがある。
また、日本の財政状況も懸念材料の一つだ。日本の対GDP比債務残高は230%と先進国で最も高く、金利上昇は借入コストの増加を意味する。
円相場が1ドル160円近くまで下落していることも、事態を複雑にしている要因だ。
投資家は、仮想通貨おすすめ銘柄などの情報を参考にしつつ、慎重な立ち回りが求められる。
