モルガン・スタンレー傘下のイートレード(E*TRADE)は16日、対象顧客向けに暗号資産(仮想通貨)の現物取引の提供を本格的に開始した。
仮想通貨の現物取引を本格展開
同社は2026年5月から限定的な試験運用を行っていたが、今回プラットフォーム全体での本格的な展開に至った。
対象となる顧客は、イートレードのプラットフォーム上で直接、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)の購入や売却、保有が可能になる。
これまでは上場投資信託(ETF)や先物などを通じた間接的な取引が中心だったが、現物取引への直接的なアクセスが実現した形だ。
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— E*TRADE from Morgan Stanley (@etrade) July 16, 2026
今回のサービスは、デジタル資産インフラを提供するゼロハッシュ(Zerohash)との提携によって実現している。
実際の取引や資産の保管は、顧客名義で開設されたゼロハッシュの口座で行われる仕組みだ。
この口座はイートレードのインターフェースと完全に統合されており、顧客は株式などの伝統的な資産と仮想通貨を一覧で管理できる。
将来的には、価格変動の少ないステーブルコインの取り扱いも視野に入れているという。
同社が4月に実施した調査によると、投資家がデジタル資産の取引プラットフォームを選ぶ際、最も重視するのは企業の信頼性だった。
既存の金融機関が提供する安心感と、一つの画面で資産を総合的に管理できる利便性が、顧客の強い需要に応える形となっている。
なお、仮想通貨は連邦預金保険公社(FDIC)や証券投資者保護公社(SIPC)の保護対象外であり、取引には全損のリスクが伴うと警告している。
競争力のある手数料と今後の展望
今回の現物取引サービスでは、取引額に対して0.50%の手数料が設定されている。
この手数料率は、米国の主要な仮想通貨取引所や証券会社が設定している一般的な水準を下回っている。
個人向け市場における価格競争が激化する中、同社は低い手数料を維持することで競争力を高める狙いがある。
現時点では、プラットフォーム内での売買と保有のみがサポートされている。外部のウォレットや他の取引所への仮想通貨の送金機能は、年内に導入される予定だ。
モルガン・スタンレーは、ウェルスマネジメント事業におけるデジタル資産戦略の一環として、この取り組みを位置づけている。
同社の幹部は、顧客が株式の購入から仮想通貨の探索、退職後の資金計画までを一つの場所で行える環境の重要性を強調している。
イートレードは、伝統的な金融サービスとデジタル資産の橋渡しとして、重要な役割を担っていく。
今後もインフラの拡充が進む中で、より多くの顧客が安全かつ効率的に仮想通貨市場へ参加できる環境が整っていくことが期待される。
市場全体が活性化すれば、新たなアルトコインシーズンの到来を後押しする可能性もある。
