コインベースのブライアン・アームストロングCEOは20日、複数の米大手銀行が同社と提携し、デジタル資産サービスの試験運用を開始していると明らかにした。
米銀行による仮想通貨導入の加速
アームストロング氏は「ニューヨーク・タイムズ・ディールブック・サミット」に登壇し、銀行がステーブルコインやカストディ業務の導入を進めていると語った。
これにはJPモルガン・チェースやシティグループといった金融大手が関与しており、従来の金融機関が仮想通貨へのアプローチを大きく転換させている。
JPモルガンは7月にコインベースとの包括的な提携を発表しており、2026年を目処に銀行口座と仮想通貨ウォレットの直接接続を開始する予定だ。
これにより、顧客はチェースのクレジットカードをコインベースで使用したり、ポイントをアカウントに移行したりすることが可能になる。
シティグループも同様に、機関投資家向けのデジタル資産決済機能の開発で協力している。同社のグローバルなネットワークとコインベースの技術を組み合わせ、クロスボーダー決済の効率化を目指す動きだ。
規制環境と市場の成長
こうした動きの背景には、2025年に制定された「GENIUS法」による規制環境の変化がある。
同法はステーブルコインの準備金に関する要件を定める一方で、銀行と取引所の利子付与能力に明確な区別を設けた。
銀行側は、コインベースがUSDC保有者に4.1%の報酬を提供している現状が、従来の銀行預金を脅かすと懸念している。これに対しアームストロング氏は、銀行が既得権益を守るために仮想通貨に抵抗していると反論しており、議論が白熱している。
経済的な要因も無視できない。2025年のステーブルコイン決済額は5兆7000億ドル(約883兆5000億円)に達しており、2030年には世界のクロスボーダー決済の20%を占めると予測されている。
アームストロング氏は、仮想通貨の採用が遅れる銀行は「取り残されることになる」と警告した。
サミットではブラックロックのラリー・フィンクCEOとも同席し、ビットコインの可能性について金融業界と仮想通貨業界の意見が一致しつつあることを示した。
さらに市場では、現物ビットコインETFの成功に続き、より多様な金融商品の登場が期待されている。
