日本の国債市場は1日、政策金利の動向を反映しやすい2年物国債の利回りが節目の1.00%を突破し、日本銀行による追加利上げの観測が急速に強まった。
国債利回りが約18年ぶりの高水準へ
日本の債券市場では1日、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが前営業日から0.07ポイント上昇し、1.88%に達した。
トレーディング・エコノミクスのデータによると、これは2006年7月以来の高水準となる。
また、日銀の金融政策に対する市場の期待をもっとも敏感に反映するとされる2年物国債の利回りも1.00%を超え、2007年中盤以来の水準まで上昇した。
この金利上昇の背景には、日銀の植田和男総裁による発言がある。
植田総裁は月曜日、次回の金融政策決定会合において利上げの「メリットとデメリット」を慎重に比較検討すると述べた。
市場関係者はこの発言を、早ければ今月中にも利上げが行われる可能性があるという、これまでで最も明確なシグナルだと受け止めている。
過去1ヶ月間で10年債利回りは0.22ポイント上昇しており、1年前と比較すると0.80ポイントも高い水準にある。
歴史的に見れば、日本の10年債利回りは1984年6月に記録した過去最高の7.59%には遠く及ばないものの、約20年間にわたり見られなかった強い上昇圧力が働いていることは明らかだ。
長らく続いた超低金利環境からの脱却は、日本経済にとって大きな転換点となる。
経済指標の改善と政策正常化への道
市場では現在、12月19日に予定されている金融政策決定会合での利上げ確率を約80%と見積もっている。これは前週の約60%から大幅に上昇した数値だ。
植田総裁は、第3四半期のマイナス成長から日本経済が回復することに自信を示しており、米国の関税による影響も当初懸念されていたほど深刻ではないとの見解を示している。
また、高市首相と植田総裁による最近の会談は、財政拡大が進む中での金融政策正常化に対し、政治的な支持が得られていることを反映していると報じられている。
仮想通貨市場と世界経済への波及リスク
日本の国債利回り上昇は、国内のみならず世界市場にも重大な影響を及ぼす可能性がある。
特に懸念されているのが「円キャリートレード」への影響だ。円キャリートレードとは、金利の低い円で資金を借り入れ、それをドルなどの高金利通貨や米国債、新興国市場の資産に投資して利ざやを稼ぐ手法である。
日銀が利上げを行い円の金利が上昇すれば、このトレードの魅力が薄れ、資金の巻き戻し(解消)が起こるリスクがある。
アナリストは、日銀による12月の利上げが世界の流動性を引き締め、市場のボラティリティ(価格変動)を高める可能性があると警告している。
特に、ビットコインやアルトコインなどの仮想通貨市場やレバレッジを効かせたポジションは、円ベースの資金調達の逆流に対して脆弱であると指摘されている。
過去にも円キャリートレードの巻き戻しが起きた際には、リスク資産が急落する場面が見られたため、投資家は仮想通貨暴落の可能性に警戒を強めている。
インタラクティブ・ブローカーズは、「東京の影響力が世界市場に広がっている」と報告しており、2年債利回りが1%を超えたことは、市場が日本の超金融緩和政策の完全な終了を織り込み始めた心理的な節目であるとしている。
12月18日から19日にかけて開催される日銀会合に向け、市場参加者は日本の政策立案者からのさらなるシグナルを注視している。
数年ぶりとなる利上げが現実となれば、伝統的な金融市場だけでなく、仮想通貨市場にも短期的な調整圧力がかかる可能性があるため、今後の動向には十分な注意が必要であり、仮想通貨投資を行う上でも冷静な判断が求められる。
