仮想通貨取引所のクラーケン(Kraken)は25日、従来の銀行サービスに代わる包括的な金融プラットフォーム「Krak」の提供を開始すると発表した。
400種以上の資産で決済可能なカード
クラーケンが発表した「Krak Card」は、マスターカードの決済ネットワークを利用し、400種類以上の仮想通貨や法定通貨を1つのプラットフォームで管理・利用できるデビットカードだ。
英国とEU(欧州連合)のユーザー向けに先行して提供が開始され、その後数週間で対象地域を拡大する予定だという。
このカードは物理カードとバーチャルカードの両方が用意され、外貨両替手数料や月額手数料は無料となっている。
特筆すべき機能として、支払いを複数の資産に分割できる点が挙げられる。例えば、100ポンド(約1万9500円)の買い物を、80ポンドの現金残高と、残りの20ポンド分のビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)などの仮想通貨で支払うことが可能だ。
決済時にはリアルタイムで通貨換算が行われる。ユーザーはどの資産を優先的に使用するかを事前に設定できるほか、特定の保有資産を支払いから除外することも可能で、柔軟な資産管理が実現する。
また、すべての購入に対して1%のキャッシュバックが付与される。報酬は現地の法定通貨またはビットコインで受け取ることができ、上限やカテゴリーの制限はない。これは従来の銀行のポイントプログラムよりも優れた点として強調されている。
給与受取と高利回り運用機能
決済機能に加え、英国とEUの顧客向けに給与の直接受け取り機能も導入された。
ユーザーには固有の口座番号やIBAN(国際銀行口座番号)が付与され、勤務先からの給与振込をアプリで直接受け取ることが可能になる。
これにより、クラーケンは単なる取引所ではなく、日常的な金融活動の拠点としての地位を確立しようとしている。
さらに、「Vaults(保管庫)」と呼ばれる新機能では、独立した監査を受けたDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルを通じて資金を運用できる。
ユーザーのリスク許容度に応じて複数のティアが用意されており、最大で年利10%を超えるリターンが期待できるという。
また、世界中のATMでの出金手数料が無料である点や、ユーザー間での送金が即時に完了する点も、従来の銀行サービスに対する優位性として挙げられている。
クラーケンは公式ブログで、Krakを「将来の資金管理の基盤」と位置付けている。
同社は、既存の銀行システムが手数料や利便性の面でユーザーのニーズを満たしていないと指摘し、仮想通貨と法定通貨をシームレスに統合することで解決を図る構えだ。
今後はカードの種類の追加や加盟店特典の強化、クレジット商品の提供なども計画しており、現代の金融管理における「あらゆる機能を持つ口座」を目指して展開を進めていく。
このプラットフォームの登場は、多くの人々にとって仮想通貨投資をより身近なものにする一歩となるだろう。
