世界的指数プロバイダーのFTSEラッセルは3日、分散型オラクル運営のチェーンリンク(LINK)と提携し、主要な株価指数とデジタル資産指数をブロックチェーン上で配信すると明かした。
機関投資家向けの市場データを分散型金融エコシステムに提供する画期的な取り組みとなる。
世界初のオンチェーン指数配信
チェーンリンクの公式発表によると、今回の提携では同社のDataLinkサービスを通じてFTSEラッセルの広範な指数データを直接ブロックチェーンネットワーク上に公開する。
DataLinkは「機関投資家がデータをブロックチェーンにシームレスに配信し、オンチェーン経済の利点を活用できるターンキーサービス」として位置づけられている。
配信される指数には、世界的に認知されているラッセル1000、ラッセル2000、ラッセル3000、FTSE100などの株価指数のほか、WMR外国為替ベンチマーク、FTSEデジタル資産価格、FTSEデジタル資産指数が含まれる。
FTSEラッセルは公式チャネルを通じて、これらの指数が「世界中のローカルベンチマーク開発から得た専門知識と組み合わせた、グローバル市場の真の姿を提供する」と説明している。
同社のデジタル資産指数については「デジタル資産市場への機関投資家品質で流動性スクリーニングされたエクスポージャーを提供する」と明記されており、この取り組みによって50以上のパブリックおよびプライベートブロックチェーンにデータが配信される。
FTSEラッセルの指数は現在、約18兆1000億ドルの運用資産を支えており、この提携は同社にとって初のオンチェーンデータ配信となる重要な節目だ。
トークン化資産市場への対応
今回の提携は、トークン化資産分野における改ざん防止可能なリアルタイム金融ベンチマークへの需要増大に応えるものだ。
FTSEラッセルのフィオナ・バセットCEOは「トークン化資産と次世代金融商品に関するイノベーションを可能にする大きな一歩」と強調し、DataLinkを通じて「最も信頼されるベンチマークの基礎データをグローバルなオンチェーン市場全体に安全に配信できる」と述べた。
チェーンリンクのセルゲイ・ナザロフ共同創設者も、この提携を「業界にとって画期的な瞬間」と評価。DataLinkのインフラにより、ベンチマークプロバイダーが機関投資家グレードの金融データをブロックチェーン市場に直接提供できるようになると説明した。
チェーンリンクはこれまでに「25兆ドル以上の取引価値を促進し、1000億ドル近い分散型金融の預かり資産を保護してきた」と実績を示しており、その信頼性が今回の連携を後押ししている。
伝統金融とDeFiの融合
この動きは、FTSEラッセルが新興資産クラスへの展開を進める戦略的方針と一致している。同社は最近、顧客の投資・分析ニーズに応えるためのデータインフラとガバナンス体制を整備し、デジタル資産指数を発表したばかりだ。
今回の提携は、規制コンプライアンス要件とブロックチェーンの24時間市場アクセスを橋渡しする取り組みでもあり、透明性・監査可能性を備えた市場データへの機関投資家の需要増加に応えるものといえる。
特に、米国でビットコインETFが承認されて以降、伝統的金融機関によるデジタル資産市場への参入が加速している。
FTSEラッセルのジェラルド・トレダノ氏は以前、「進化する金融エコシステムにおいてルールベースで一貫したベンチマーキングの新基準を設定する」と語っており、今回の提携はその理念の具体化といえる。
この連携により、開発者は信頼性の高い機関投資家グレードのベンチマークを組み込んだ新しい金融商品を構築でき、規制対応型の分散型金融アプリやトークン化資産の拡大が見込まれる。
業界アナリストはこれを「伝統金融と分散型金融の融合」と位置づけ、両社が金融エコシステム全体でデータアクセスの在り方を再定義する動きを主導すると見ている。将来的には、これらの指数データがDEXにおける金融商品の価格決定にも活用される可能性がある。
