Hyperliquid(ハイパーリキッド)とBNBチェーンは28日、主要L1の手数料シェアで優位に立った。
デリバティブ台頭でL1手数料が再編
暗号資産(仮想通貨)のレイヤー1(L1)手数料の構図が2025年を通じて大きく変化した。
年初はソラナ(SOL)が主要L1の総手数料の過半を占めていたが、10月には9%まで低下した。対照的に、Hyperliquidは全体の40%以上、BNBチェーンは20%以上を確保した。
年初に両者の合算が約10%だった点を踏まえると、完全な逆転だ。背景にはデリバティブ需要の拡大と、手数料強度の違いがある。ミームコイン中心の活動は手数料単価が低く、伸び悩みが表面化した。
Hyperliquidの急伸、HIP-3と料金戦略が奏功
Hyperliquidの伸長は、提案HIP-3の実装で許可不要の無期限先物取引を可能にし、戦略的な手数料引き下げを進めたことが主因だ。
2024年10月の手数料は240万ドルだったが、2025年10月は4,100万ドルに拡大した。伸び率は1,600%に達した。
2025年第2四半期の取引高は6,480億ドルで、直近12カ月累計は1.57兆ドルだ。
プラットフォーム収益は累計で3億ドルを超え、無期限先物(パーペチュアル)型の分散型取引所(DEX)市場でのシェアは60%以上に上る。次点の競合と比べて約10倍という差がついている。
同社はデリバティブに特化し、少数のユーザー増でも高い手数料収受につながる設計を採った。高度な取引需要を取り込み、L1手数料全体の40%以上を占めるまでに拡大した。取引構造の転換が、手数料分布の重心を押し上げた格好だ。
BNBチェーンの伸長と取引所エコシステムの影響
BNBチェーンの手数料シェアは20%以上に達し、年初から大きく拡大した。背景にはBinanceエコシステムとの強い結び付きがある。Binance AlphaやBinance Walletが個人層の導線となり、アクティビティと流動性を連鎖的に引き込んだ。
Aster統合を含む基盤整備も進み、デリバティブ志向のユーザーが定着した。中央集権取引所のインフラとネイティブなブロックチェーンの統合は、利用者行動の取り込みで優位性をもたらしている。
BNBチェーンはその典型例だ。年初にはHyperliquidとBNBチェーンの合算は約10%に過ぎなかったが、現在は過半に近い。
手数料の源泉が、一般用途やミームコインからデリバティブへと移ったことを示す。市場ダイナミクスの変化が色濃く出た。
ソラナの失速、イーサリアムの動向と今後の焦点
一方、ソラナの手数料は34%減の660万ドル(約10億円)となった。TRUMPトークン導入後にミームコイン取引が鈍化し、手数料強度の低さが鮮明になった。
デリバティブは単位当たりの手数料が高く、構造差がシェア低下の要因となった。
イーサリアム(ETH)の手数料もHyperliquidの10月実績と比較すると半減し、2,160万ドル(約33億円)だ。
高機能な汎用L1でも、収益源の違いで短期の指標は大きく振れる。イーサリアムの今後を占う上でも、収益源の多様化が課題だ。ソラナの今後は、関心を集める新規DAppの登場や、再燃する投機サイクルに左右される。
2026年にはWestern Union(ウェスタンユニオン)がソラナ上で米ドル連動型ステーブルコインUSDPTを予定している。
これは制度的な追い風になり得るが、今回の手数料再編とは文脈が異なる。デリバティブ市場の拡大が続く限り、HyperliquidとBNBチェーンの優位は持続しやすい。
