インドのマドラス高等裁判所は25日、XRPなどの暗号資産(仮想通貨)をインド法上の「財産」として認める画期的な判決を下した。
この判決はN・アナンド・ヴェンカテシュ判事によって示された。判事は、仮想通貨が識別可能で移転可能であり、秘密鍵によってのみ管理される点を挙げ、独自の財産形態であると指摘した。
この決定は、インド国内の仮想通貨保有者に重要な法的保護を提供するものとなる。
WazirX攻撃事件を契機とした訴訟
今回の判決は、2024年に仮想通貨取引所WazirXがサイバー攻撃を受けた事件に関連する訴訟から生まれた。
原告の投資家は、保有する3,532.30XRPの保護を求めて提訴していた。攻撃によってイーサリアム基盤の資産は盗まれたものの、XRPトークンは再分配から守られた状態にあった。
裁判所は明確に次のように述べた。「仮想通貨が財産であることに疑いの余地はない。それは有形の財産でもなければ通貨でもない。
しかし、享受し所有することができる(有益な形で)財産である。信託として保有することも可能だ」。この判断により、WazirXは仲裁手続きが進行中の間、原告のXRP保有資産への干渉を禁じられた。
国際判例を参照した法的根拠
ヴェンカテシュ判事の判断は、仮想通貨の性質に関するいくつかの重要な法的・技術的考察に基づいている。
判事は、デジタル資産が識別性、移転可能性、秘密鍵による管理という基本的な財産特性を持つと強調し、「それは1と0の連続に過ぎないが、単なる情報以上のものだ」と述べた。
判決は、仮想通貨を財産として認めた国際的な判例を引用している。
2020年のニュージーランド高等裁判所によるラスコー対クリプトピア社事件、2019年の英国高等裁判所によるAA対不明者事件、そして2023年の米国連邦裁判所による米証券取引委員会(SEC)対リップル・ラボ事件などが参照された。
これらの世界的な司法判断が、インド裁判所の論理形成に大きな影響を与えた。
裁判所はまた、「仮想通貨は厳密な意味での通貨ではなく、デジタル資産が厳密な意味での資産であるとも即断できない」としながらも、仮想通貨が「ブロックチェーン上に存在する1と0の流れ」でありながら「所有、移転、保管が可能な資産」であると指摘した。
この微妙な理解が、デジタル資産に求められる新しい法的枠組みを示している。
インドの仮想通貨規制への影響
この判決は、仮想通貨がインド法の下で信託や所有物として扱われることを確立し、インド国内の仮想通貨取引に対するインド裁判所の管轄権を明確にした。
裁判所は、この認定によってデジタル資産が所得税法上の単なる投機的取引ではないことが確認されたと強調した。
ヴェンカテシュ判事は「インドには、消費者を保護し金融の安定性を維持しながら、イノベーションを促進する規制体制を設計する機会がある」と述べ、同国における仮想通貨規制の前進を示唆した。
この判決は、仮想通貨が法定通貨ではないものの財産として認められるという微妙な法的枠組みを創出し、将来的な規制に影響を与える可能性がある。
インドの仮想通貨に対する姿勢が進化する中、この決定は投資家や取引所に明確性を提供する。イノベーションと消費者保護のバランスを取った、より包括的な仮想通貨法制への道を開く重要な一歩となるだろう。
