カナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は20日、新規の暗号資産(仮想通貨)マイニング事業を永久に禁止し、AIデータセンターの電力使用を制限する法案を提出した。
この動きは、2022年12月に初めて導入され、2024年に延長された仮想通貨マイニングへの新規電力接続の一時停止措置を発展させたものである。
州政府は、仮想通貨マイニングが「不釣り合いなエネルギー消費と限定的な経済的利益」をもたらすとし、禁止を恒久化する主な理由として挙げている。
エネルギー法改正案の詳細
エネルギー法改正案と名付けられたこの法案は、州議会に提出された。鉱業、天然ガス、製造業、林業、水素製造といった、より高い経済的利益をもたらす分野への電力網接続を優先する目的がある。
州が所有する電力会社BCハイドロは、2026年1月から競争入札プロセスを開始する予定だ。2年ごとにAI事業向けに300メガワット、一般データセンター向けに100メガワットの電力を割り当てる計画である。
さらに、産業プロジェクトの電力割り当てに関する規制は2025年11月に施行される。大規模な産業開発を支援するため、ノースコースト送電線プロジェクトも迅速化される見込みだ。
州エネルギー省は、鉱業、石油・ガス、製造業、林業、水素などの産業向け電力供給は、新しい枠組みの下でも上限が設けられないことを強調している。
政策決定の背景と他州への影響
BC州の決定は、仮想通貨マイニング事業が伝統的な資源セクターと比較して、最小限の経済的利益や雇用創出しか生み出さないという評価に大きく影響されている。
エネルギー大臣のエイドリアン・ディクス氏は、「AIやデータセンター業界から電力供給に関する大規模な要請を受けている」と述べ、政府がエネルギー配分の管理された枠組みを積極的に構築するきっかけになったと説明した。
この中にはAI仮想通貨に関連する事業からの需要も含まれる可能性がある。
州政府は、米国のバージニア州やメリーランド州が直面する課題にも言及した。これらの州では「AIに必要な電力消費の大きいデータセンターの急増が、市民の電気料金を押し上げているようだ」と指摘している。
この政策は、近隣のアルバータ州が天然ガス埋蔵量を活用し、今後5年間で1000億カナダドルのデータセンター誘致を目指すアプローチとは対照的だ。また、AIインフラの冷却に必要な水資源への懸念も示されており、電力消費以外の環境への配慮も浮き彫りになっている。
この規制は、既存の仮想通貨マイニング事業者にも影響を与え、他地域のエネルギー集約型産業に対する規制アプローチの先例となる可能性がある。こうした規制動向は、将来性を見越した仮想通貨長期保有を検討する投資家にとっても注視すべき点である。
