トークン化された金(ゴールド)の市場規模が7日、時価総額30億2000万ドル(約4560億円)に達し、過去最高を更新した。これは前日比で2.3%の増加を示している。
トークン化された金は、現物の金を裏付け資産とする暗号資産(仮想通貨)であり、ブロックチェーン技術の活用により24時間取引や即時送金が可能となっている。
金価格の歴史的高騰が市場を牽引
トークン化された金市場の急成長は、現物金価格の歴史的な上昇と密接に関連している。金の価格は年初来で約47%上昇し、1オンスあたり3900ドルを超えた。10月7日には史上初めて一時4000ドルを突破し、心理的な節目を超えている。
この金価格の高騰は、世界的な経済の不確実性や地政学的な緊張の高まりが背景にある。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げへの期待や米ドル安観測も、安全資産と見なされる貴金属への需要を押し上げている。
このようなマクロ経済環境は、現物金とそのブロックチェーン上の代替資産である金連動型トークン双方への需要を同時に高めている。
主要トークンが市場を独占、ビットコインを凌ぐパフォーマンス
市場を牽引しているのは、Tether Gold(XAUT)とPAX Gold(PAXG)の2つの銘柄だ。
XAUTの時価総額は約15億ドル(約2265億円)、PAXGは約11億9000万ドル(約1797億円)に達している。両者で市場全体の約89%を占めており、XAUTが約49.5%、PAXGが約39.6%のシェアを持つ寡占状態だ。
これらのトークンの多くは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で発行されており、そのエコシステムの恩恵を受けている。
市場の成長に伴い、流動性も大幅に増加した。PAXGは2025年9月だけで4000万ドル以上の純流入を記録し、月間取引高は過去最高の32億ドルを超えた。また、XAUTの月間取引高も32億5000万ドルに達した。
XAUTの時価総額の増加は、裏付けとなる金価格の上昇のみによるもので、8月に4億3700万ドル相当のトークンが発行されて以降、新規の発行は行われていない。
この動向は、デジタルゴールドと称されるビットコイン(BTC)との比較でも興味深い。金の年初来リターンが47%であるのに対し、ビットコインのリターンは22%にとどまる。
伝統的な安全資産である金と、ブロックチェーン技術の効率性やアクセス性を融合させた現実資産(RWA)のトークン化は、今後さらに関心が高まる見込みだ。
