大手取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは7日、米国の暗号資産(仮想通貨)規制に関して「明確なルールがようやく手に入る寸前だ」と述べ、強気な姿勢を示した。
米議会は7月、クリプトウィークと呼ばれる一連の立法活動を通じて、3本の主要な仮想通貨規制法案を審議し、そのうちGENIUS法が署名・成立した。
同法は、米国初の包括的な連邦仮想通貨法であり、これまでの断片的な規制状況に終止符を打つものとされる。
この動きは、長年続いた規制当局の不透明な対応や、前SEC委員長ゲーリー・ゲンスラー氏による強硬な執行姿勢を背景に実現した。
現政権も米国を仮想通貨の首都にするとの方針を掲げ、法案成立を後押ししており、業界内では歓迎ムードが広がっている。
Feeling very bullish on regulatory progress for crypto in the US.
Clear rules are coming. This helps builders and innovators. We won’t stop until it happens 💪 pic.twitter.com/arIujvzuyH
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) October 6, 2025
トランプ政権の姿勢が法案成立を後押し
法案の可決には、トランプ大統領の明確な親仮想通貨の姿勢が大きく影響した。これは、以前の政権の懐疑的なアプローチとは対照的だ。
アームストロング氏は2025年の世界経済フォーラム年次総会で、「トランプ効果は否定できない。これは前例のないことだ」と指摘。コインベースをはじめとする主要な仮想通貨企業による、2025年を通じた持続的なロビー活動も影響を与えた要因とみなされている。
同氏は特に、ゲンスラー前委員長のようなSEC指導者の再来を防ぐことが、自身のワシントンでの活動の主要な目的だと明かした。
政治的な計算も役割を果たしたとされ、関係者によると、共和党は選挙戦でこの成果をアピールするため、2026年2月末までに新たな規制を可決したい意向だったという。
この法改正は、長引く規制の不確実性が政治的に維持不可能になったという、より広範なコンセンサスを反映している。議論は仮想通貨を「規制するかどうか」から、「どのように最善の規制を実施するか」へと移行した。
新たな規制の枠組みと業界の反応
GENIUS法とCLARITY法は、ステーブルコインに対する具体的なガードレールを設け、デジタル資産の明確な定義を提供し、中央銀行デジタル通貨に関する確固たる政策的立場を確立する。
これらの進展は、2024年にトランプ大統領がビットコインのカンファレンスに登壇したことに続くものだ。
業界の反応は、慎重ながらも楽観的と評されている。スタートアップ創業者も機関投資家も、米国が敵対的な規制環境から、責任ある仮想通貨の革新を促す可能性のある環境へと移行していると認識している。
しかし、経済学者のピーター・シフ氏やエリザベス・ウォーレン上院議員など、依然として大きな反対意見も存在。彼らは、業界への過度な配慮が金融システム全体にシステミックリスクをもたらす可能性を警告している。
GTトンプソン下院議員がかつて「業界は規制の明確性と確実性を一貫して求めてきた」と述べたように、今回の新法は、仮想通貨業界からの長年の要請に応える形で実現したものといえる。
