米商品先物取引委員会(CFTC)は23日、ステーブルコインを米国のデリバティブ市場で担保として使用することを許可する新たなイニシアチブを開始した。米国で初めてとなるステーブルコイン担保に関する規制の枠組みとなる。
キャロライン・ファム委員長代理は、「担保管理こそが市場におけるステーブルコインの『キラーアプリ』だと長年述べてきた」と語った。同氏は、このイニシアチブを通じて利害関係者と緊密に連携し、ステーブルコインを含むトークン化された担保の利用を可能にすることへの期待を示した。
ステーブルコイン活用の新時代へ
この動きは、ファム氏が率いるCFTCのグローバル市場諮問委員会(GMAC)が2024年に出した勧告に基づいている。同委員会は当時、規制当局に対して「分散型台帳技術を通じた非現金担保の利用」を採択するよう求めていた。
今回のイニシアチブは、CFTCが2025年2月に発表した非現金担保のパイロットプログラムをさらに発展させたものだ。このプログラムには、Circle、Coinbase、Crypto.com、Ripple、MoonPayといった暗号資産(仮想通貨)業界の主要企業が参加している。
CFTCによると、トークン化された担保は、先物やスワップなどのデリバティブ契約の効率性を高める。同時に、取引参加者の債務を保証し、デフォルトのリスクを軽減する効果も期待されるという。
CFTCは、この取り組みがブロックチェーン技術を通じて米国のデリバティブ市場インフラを近代化する重要な一歩だと位置付けている。
規制整備と業界の期待
このイニシアチブは、複数の規制動向が重なる中で発表された。最近では、議会が米国で初めてステーブルコインを規制する仮想通貨関連法案「GENIUS法」を可決している。
ファム委員長代理は、トランプ大統領が指名した常任委員長の承認プロセスが遅れる中、仮想通貨に関する規制整備を積極的に進めている。また、米証券取引委員会(SEC)とも連携し、省庁横断で規制の明確化を図っている。
業界からの支持も厚い。CFTCの発表には、CircleやCoinbase、Rippleなどの幹部からの賛同コメントが盛り込まれた。Rippleのステーブルコイン担当上級副社長であるジャック・マクドナルド氏は、「実物資産、さらには将来のキャッシュフローのトークン化は、金融技術において急速に進んでいるトレンドだ」と述べた。
市場統合への具体的なステップ
CFTCは、評価方法、保管体制、決済手順、必要な規則改正などについて業界からの意見を求めるため、パブリックコメント期間を設けた。意見の提出期限は2025年10月20日となっている。
ファム委員長代理はさらに、革新的な市場構造を管理された環境で試験するための「米国デジタル資産規制サンドボックス」の立ち上げも提案している。
公式声明では、このイニシアチブが「担保管理システムの近代化、資本効率の向上、伝統金融とデジタル金融の橋渡し」を目指すものだと強調されている。
