イーサリアム財団は2025年12月30日、人工知能(AI)エージェント向けのインフラ構築を主導する「dAIチーム」を正式に発足させたことを明らかにした。
この新たな取り組みは、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)をAIエージェントにとって好ましい決済および調整レイヤーとして確立することを目的としている。
Nethermindのトマシュ・スタンチャック創設者がインタビューで明らかにしたところによると、同財団はAIアプリケーションを直接開発するのではなく、インフラの標準を提供する「コーディネーター」としての役割を担う方針だ。
新設されたdAIチームは、イーサリアム開発者のダビデ・クラピス氏が率い、自律的なエージェント間での発見や検証、取引の標準化を目指す。
新規格ERC-8004と企業の関心
同チームは現在、AIエージェントのアイデンティティと相互運用性を定義する新規格「ERC-8004」の開発を進めている。
また、x402プロトコルの構築にも取り組んでおり、これらは「エージェント商取引」における中立的な規範となることが期待されている。
財団は、AIインフラが少数の強力な主体に独占されることへの懸念に対応し、オープンで検証可能な代替手段を提供する狙いがある。
この動きに対し、GoogleやCoinbaseといった大手テクノロジー企業も強い関心を示しているという。
これらの企業は、イーサリアムが機械間の調整を行う中立的なインフラとして機能する可能性を認識しており、トークン化されたAIマーケットプレイスや自律的な取引ボットへの需要が高まっている。
イーサリアムはビットコインとは異なるアプローチで、プログラム可能な経済圏を拡大している。
財団は、現在のAIとブロックチェーンの統合をDeFi(分散型金融)の初期段階になぞらえている。
草の根レベルでの採用が先行し、やがて機関レベルでの統合が進むとの見方を示しており、企業が管理するシステムに対抗する検閲耐性のある基盤作りを急いでいる。
2026年に向けた技術ロードマップ
dAIチームは現在、2026年に向けた包括的なロードマップを策定中であり、イーサリアムをAIのための世界的な分散型決済プラットフォームにするという目標を掲げている。
関連アプリケーションを構築するチームとも協議を行い、今後優先すべき支援の方向性を定めている。
技術的なアップグレードも計画されており、2026年第1四半期の「Glamsterdam」や第3四半期の「Hegota」などが予定されている。
これらには「Enshrined Proposer-Builder Separation(ePBS)」や「Verkle Trees」といった機能が含まれ、AI統合を支援するとともにネットワークのセキュリティと効率性を高めるものとなる。
財団は、AIエージェントが仲介者なしで活動できる「マシンエコノミー」の実現を目指している。
プルーフサイズの制限やセキュリティターゲットの維持など、リスクを軽減するための制約も設けつつ、技術的な移行期におけるネットワークの回復力を確保していく方針だ。
ユーザーはWeb3ウォレットを介して、これらのAIサービスに安全にアクセスできるようになるだろう。
