米ドナルド・トランプ大統領は22日、ダークウェブマーケットプレイス「シルクロード」の創設者ロス・ウルブリヒト氏への「完全かつ無条件の」恩赦に署名した。
リバタリアン運動への配慮が背景に
トランプ大統領はSNSプラットフォーム「Truth Social」で、リバタリアン運動への感謝を示す形で恩赦を決定したと表明した。
ウルブリヒト氏の母親に直接電話で恩赦を伝えた大統領は、二度の終身刑に加えて40年の追加刑が「理不尽」だったとの見解を示していた。
ビットコイン(BTC)黎明期の転換点となったシルクロード事件
2024年3月に40歳を迎えたウルブリヒト氏は、2013年に逮捕された。
https://twitter.com/Free_Ross/status/1881925029497377104
同氏が運営していたシルクロードでは、ビットコイン(BTC)を使用して違法薬物などの取引が行われ、取引総額は2億1300万ドルに達していた。
2015年、薬物取引に関連する7つの罪状で、仮釈放なしの終身刑が言い渡された。
トランプ政権の仮想通貨政策にも注目
大統領は今回の恩赦に加え、ビットコインの戦略的備蓄の確立や、仮想通貨に関する大統領諮問委員会の設置、SAB121の廃止、米国のビットコインマイニング大国化などの政策を掲げている。
暗号資産(仮想通貨)業界は、これらの公約の実現に向けた動きを注視している。
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仮想通貨規制の新時代へ
11年以上の収監生活を経て釈放されるウルブリヒト氏のこの恩赦は、単なる個人の解放にとどまらず、仮想通貨業界の規制や法執行のあり方に一石を投じるものとなりそうだ。
今後は、適切な規制と革新のバランスを取る新たな枠組みづくりが課題となる。