グローバルフィンテックプラットフォームのリボルートは11日、決済インフラプロバイダーのマーキュリオと提携し、新サービス「リボルートペイ」を開始すると発表した。
マーキュリオのピーター・コジャコフ共同創業者兼CEOによると、160カ国以上で事業を展開するリボルートは、多額の法定通貨取引を定期的に処理しており、多くの利用者にとって暗号資産(仮想通貨)市場への重要な入り口になる可能性を指摘した。
DeFi市場への本格参入を目指す新サービス
新サービスとなるリボルートペイは、レジャーやメタマスク、トラストウォレットなどの非カストディアルウォレットと連携し、仮想通貨の購入を可能にする。同社にとって分散型金融(DeFi)市場への本格参入となる取り組みだ。
利用者は非カストディアルウォレットから直接、低コストで仮想通貨を購入できる仕組みを実現。取引の際には生体認証技術やパスコードなどの高度なセキュリティ対策も導入され、リボルートペイアプリ上で取引認証を行うことで、安全性と効率性を両立した。
リボルートアプリを持たない利用者向けには、クレジットカードやデビットカードでの決済にも対応。利用者の状況に応じて柔軟な決済手段を提供することで、サービスの利便性を高めた。
欧州での展開を皮切りに事業拡大へ
サービス提供地域は当初、欧州経済領域(EEA)に限定される。米ドル、ユーロ、英ポンドなどの主要な法定通貨での決済に対応し、44種類の仮想通貨の購入が可能となる。これは、他の類似サービスと比較して幅広い取扱通貨を特徴とする。
新規利用者向けの本人確認(KYC)プロセスは、リボルートの既存フレームワークを活用。数分程度で完了する迅速な認証プロセスを実現しながら、規制要件への厳格な準拠も確保した。
ウクライナでの金融サービス拡充も視野に
同日、リボルートはウクライナ政府のプラットフォーム「Diia」と提携し、同国でのサービス展開も発表。ウクライナの居住者は欧州リボルートアカウントを開設し、即時の資金移動や30種類の通貨での外国為替取引などの金融サービスを利用できるようになる。
さらに、同国の居住者向けに専用デザインのクリアスカイデビットカードも導入。これにより、海外送金手数料を抑えながら、世界中での送金や受け取りが可能となる仕組みを整えた。
リボルートは同サービスを通じて、従来の中央集権型取引所に依存しない新たな仮想通貨購入手段を提供。DeFi市場におけるプレゼンス強化と、金融サービスのさらなる利便性向上を目指す姿勢を示した。