ナスダックは7日、2026年後半から24時間取引を開始する計画を発表した。
この動きは、米国株式への世界的な関心の高まりに対応するもので、アジアなど米国と時差がある地域の投資家にとってより利用しやすい取引環境を提供することを目指している。
現在、ナスダックの通常取引時間は平日の東部時間午前9時30分から午後4時までで、早朝取引が午前4時から9時30分まで、延長取引が午後4時から午後8時までとなっている。
世界的な需要と仮想通貨市場の影響
この決定の背景には、複数の要因が影響しており、米国株式への世界的な需要の増加が主な推進力となっている。
世界中の多くの投資家が、それぞれの地域の日中に取引を行いたいと考えており、特定のタイムゾーンへの依存を減らすニーズが高まっていた。
さらに注目すべきは、暗号資産(仮想通貨)市場からの競争圧力だ。
ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨は24時間365日取引可能であり、このモデルは株式などの他の金融資産にも先例を示している。
ナスダックの今回の決定は、こうした連続的な取引時間への移行傾向を反映したものといえる。
タル・コーエン・ナスダック社長は声明で「グローバル投資家のニーズに応える時が来た」と述べ、「仮想通貨市場が示した24時間取引モデルの成功は無視できない」と付け加えた。
規制当局との協力と市場への影響
ナスダックはすでに、この変更を実現するために規制当局との協議を開始している。
一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)はすでに延長取引時間の承認を得ており、1日22時間の取引を目指している。
24時間取引の導入により、投資家が従来の日中取引時間に制限されることなく取引できるようになるため、流動性と取引量の増加が見込まれる。
これは特に、ビットコインETF(上場投資信託)市場規模が拡大する現在、ナスダックに新たな成長機会を提供する可能性がある。
市場専門家は、この動きが伝統的な金融市場と仮想通貨市場の境界をさらに曖昧にするとの見方を示している。
「仮想通貨市場の影響力が従来の金融システムにも波及している証左だ」と複数のアナリストが指摘している。
24時間取引への移行は技術的課題も伴うが、ナスダックは2026年後半の導入に向けてインフラ整備を進めている。
この変更により、世界中の投資家にとって米国株式市場へのアクセスが容易になり、グローバル金融市場のさらなる統合が進む可能性がある。