欧州中央銀行、米ドル連動ステーブルコインの拡大に危機感

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欧州中央銀行の建物と米ドルステーブルコインのシンボル

欧州中央銀行(ECB)のユルゲン・シャーフ市場インフラ・決済担当アドバイザーは28日、ステーブルコインが国際金融の仕組みを変革し、金融主権と金融安定性を損なう可能性があると警告した

この懸念は、米国で最近可決されたGenius Actを受けたものだ。

米国の新法がもたらす影響

Genius Actによってドル連動ステーブルコインの発行が促進されれば、米国は自国債務の安価な資金調達や地政学的な影響力の強化といった戦略的優位性を手にすることになる。

また、ドル連動ステーブルコインがユーロ建て金融商品に取って代わると、ECBの通貨供給量や金融情勢への管理能力が低下しかねない。

これは欧州の金融政策の自律性を損ない、米国への依存度を高める結果となる。

過去のビットコイン批判とECBの姿勢

シャーフ氏は過去にビットコイン(BTC)を「変動性と投機的リスクが高く、中央銀行の準備資産としての利用は危険」と批判している。

ステーブルコインに対する慎重な姿勢は、民間の暗号資産(仮想通貨)に対するECB全体の懐疑的な見方と一致しており、デジタルユーロ開発を優先する動きにつながっている。

シャーフ氏は、「ドル連動ステーブルコインが米国の借入コストを引き下げる一方で、欧州は競争力や経済政策における自律性の低下といった非対称的な課題に直面する」と述べた。

著者: 白石 一颯

仮想通貨・ブロックチェーン分野を中心に、最新ニュースや規制動向、プロジェクト分析などを取材・執筆。国内外の信頼性ある情報源をもとに、読者に正確で有益なコンテンツを届けています。専門性と透明性を重視し、投機に偏らない情報提供を心がけています。