非代替性トークン(NFT)のコレクション「クリプトパンクス(CryptoPunks)」のひとつは10日、約600万ドル(約8億7600万円)相当の4000イーサリアム(ETH)で売却された。
約1年前の購入価格と比較すると約1000万ドル(約14億6000万円)の損失となったことが明らかになった。
NFT「クリプトパンクス#3100」の高額取引と大幅な損失
今回売却されたのは「クリプトパンクス#3100」と呼ばれるNFTで、4000ETH(約600万ドル、約8億7600万円)で取引された。
このNFTは約1年前に4500ETH(当時の価値で1600万ドル以上、約23億3600万円以上)で購入されており、わずか1年で1000万ドル(約14億6000万円)以上の損失が発生した計算になる。
クリプトパンクスはイーサリアムブロックチェーン上に存在する1万点の独自のピクセルアートだ。
ブロックチェーン上のNFTの先駆けとして知られているおり、特に希少性の高いものは数百万ドルで取引されてきた歴史がある。
イーサリアム価格下落がNFT市場に与える影響
この大幅な損失が生じた主な要因は、過去12ヶ月間におけるイーサリアムの価値下落だ。イーサリアムは約57%の価値を失っており、NFTの米ドルでの価値に大きな影響を及ぼしている。
NFT市場全体も2021年から2022年にかけての熱狂期と比較して、取引量と価格が大幅に減少している。
クリプトパンクスやボアードエイプヨットクラブ(Bored Ape Yacht Club)などの高額NFTコレクションも、かつての高値から大きく下落している。
NFT市場の現状と今後の展望
今回の「クリプトパンクス#3100」の取引は、NFT投資に伴う高い価格変動性とリスクを浮き彫りにした。
特にイーサリアムなどの変動の激しい暗号資産(仮想通貨)と連動している場合、NFTの価値は大きく変動する可能性がある。
一方で、依然として高額取引が成立していることは、一部の投資家がNFT市場への関心を持ち続けていることを示している。
しかし全体的な市場は冷え込んでおり、多くのNFTプロジェクトがかつての人気を取り戻すには、仮想通貨市場全体の回復や新たな用途開発が必要となるだろう。