ユガラボ、NFTプロジェクト「Moonbirds」をゲーム会社に売却

私たちを信頼する理由
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ブロックチェーンゲームの世界を飛ぶデジタルフクロウキャラクター

Bored Ape Yacht Club(BAYC)で知られるYuga Labs(ユガラボ)は5月31日、非代替性トークン(NFT)プロジェクト「Moonbirds」の知的財産権をブロックチェーンゲーム企業Orange Cap Gamesに売却すると発表した

今回の売却には、Moonbirdsに加え、関連プロジェクトの「Mythics」と「Oddities」の知的財産権も含まれる。これにより、ユガラボは2025年に入って3つ目のNFTプロジェクトを手放すことになった。

同社は2月にMeebitsを売却し、5月にはCryptoPunksも手放している。

事業集約戦略の一環

ユガラボは今回の売却について、主力事業であるBored Ape Yacht Clubとメタバースプロジェクト「Otherside」に経営資源を集中するための戦略的な判断だと説明している。

同社の共同創設者グレッグ・ソラノ氏は「Moonbirdsには、その世界に完全に専念するチームが必要だ」とコメントし、Orange Cap Gamesへの信頼を表明した。

Moonbirdsは2022年に開始されたNFTプロジェクトで、初期販売では2億8000万ドルを売り上げた。しかし、NFT市場全体の低迷により、その後の展開に課題を抱えていた。

NFT市場の動向は、ビットコイン(BTC)をはじめとする主要な暗号資産(仮想通貨)の価格変動とも無縁ではない。ユガラボは2024年2月にMoonbirdsの元開発会社Proofを買収したが、事業効率化のため売却を決断した。

Orange Cap Gamesの展開計画

買収を行ったOrange Cap Gamesは、ブロックチェーンゲーム分野に特化したスタートアップ企業だ。同社はMoonbirdsの知的財産を活用し、「新しいゲームメカニクスとコンテンツ」を通じてプロジェクトを発展させる計画を表明している。

具体的には、MoonbirdsやMythics、Odditiesに関連するオンチェーン資産を、メインブロックチェーンまたはユガラボのApeChainでミント(発行)する予定だ。

多くのNFTが発行されているプラットフォームとしてはイーサリアム(ETH)が知られているが、今回のプロジェクトでどのチェーンが主に利用されるかは注目される。一方で、MoonbirdsのキャラクターはユガラボのOthersideメタバース内でプレイ可能な状態を維持するとしている。

ユガラボの事業売却は、NFT市場の変化に対応した戦略的な動きと見られる。同社は主力事業に集中することで、競争力の維持と持続的成長を図る方針を明確にしている。

今回の事例は、仮想通貨業界におけるプロジェクトの取捨選択が進んでいることを示唆していると言えるだろう。

著者: 佐山 美代子

2018年より仮想通貨投資を始め、同時に暗号資産ライターとしてキャリアをスタート。ビットコインをはじめとした主要仮想通貨の市場動向を追いながら、Web3.0分野のコンテンツ制作で豊富な経験を積んできました。専門性と読者理解を兼ね備えたライティングで、高品質な情報を提供します。