米国ワイオミング州ステーブルトークン委員会は12日、ブロックチェーン分析企業のインカ・デジタル(Inca Digital)と提携し、州発行ステーブルコイン「Wyoming Stable Token(WYST)」のマネーロンダリング対策やリスク管理を強化すると発表した。
WYSTは、米国で初めて州が発行するステーブルコインとして2025年7月に発行が予定されている。発行にあたり、米国債、現金、レポ取引(短期資金取引)で全額裏付けされる点が特徴だ。
また、WYSTの準備資産はワイオミング州財務局によって管理され、定期的に監査が実施される。これにより、透明性と信頼性の高さが確保される仕組みとなっている。
Inca Digitalとの連携でAML対策を徹底
We're partnering with The Wyoming Stable Token Comission to support WYST, the first fully-reserved, fiat-backed stable token issued by a U.S. public entity.
We'll be working with @wyostable to ensure that WYST operates with the highest standards of transparency and security.…
— Inca Digital (@inca_digital) May 12, 2025
Inca Digitalは、リアルタイムでブロックチェーン取引を監視するツールを提供し、不審な取引の検知や市場パターンの分析を担う。
これにより、不正やマネーロンダリング(資金洗浄)リスクへの対応力が高まる。
ワイオミング州は従来から「デジタル資産法」など先進的な法整備を進めてきた。
今回の提携は、連邦および州レベルの金融監督に沿った運営体制を強調し、暗号資産(仮想通貨)業界での透明性や安全性を高める狙いがある。
米州発行初のステーブルコイン、信頼構築と先行事例
WYSTは、1対1で米ドルと連動し、一般ユーザーにとっては米ドルのデジタル表現として利用できる。
過去にステーブルコイン市場ではテラUSD(UST)の崩壊など信頼性への懸念も生じていたが、WYSTは厳格な裏付け資産と監査体制により、安定性と信頼性の向上を図る。
今後の運用状況次第では、他州や連邦政府での同様の取り組みにも影響を与える可能性がある。
ワイオミング州の動きは、米国におけるデジタル通貨政策の議論を促し、仮想通貨市場で注目されている。
仮想通貨の普及とともに、仮想通貨投資への関心も高まりつつある。