ベトナム国家データ協会(NDA)は19日、国家レベルのブロックチェーンプラットフォームNDAChainの開発を進めていることを明らかにした。
このプラットフォームは、電子政府、金融、医療といった重要分野におけるデジタルデータのセキュリティと透明性を高めることを目的としている。
NDAChainは、ベトナムの国家データセンター傘下のイノベーション・データ活用センターが管理し、市民データや経済データを認証・保護するための分散型の信用を支えるシステムとして機能する。
JUST IN: 🇻🇳 Vietnam launches national blockchain NDAChain to power digital IDs, smart contracts & government records with hybrid decentralization. pic.twitter.com/FiTZpkluqE
— Whale Insider (@WhaleInsider) July 25, 2025
NDAChainの技術と性能
NDAChainは、ハイブリッドアーキテクチャを採用している点が特徴だ。
これにより、政府が承認した検証ノードによる中央集権的な管理と、ブロックチェーンの暗号化技術を利用した分散型の検証を両立させている。
コンセンサスアルゴリズムにはPoAを採用し、国営企業やZalo、Masan、SunGroupといった大手企業が管理する49の検証ノードでネットワークを運営する。
このPoAは、PoSから派生したアルゴリズムであり、特定の資産を預け入れることで報酬を得るステーキングとは異なる仕組みでネットワークの合意を形成する。
性能面では、毎秒1200から3600件のトランザクション処理能力を持つ。
また、ゼロ知識証明や暗号化技術を活用し、データを保護しながら検証を可能にする高度なセキュリティを実現している。
このプラットフォームはW3Cの分散型識別子やGDPRといった国際基準にも準拠しており、グローバルな相互運用性も確保している。
開発の背景と関連サービス
開発の背景には、従来の集中管理型システムが抱えるサイバーセキュリティの脆弱性や、国際システムとの相互運用性における課題があった。
ベトナム政府は、経済のデジタル化を推進しており、NDAChainは国の重要インフラを近代化する戦略の一環と位置づけられている。
これは、中央集権的な管理と分散技術を組み合わせるハイブリッドなアプローチであり、完全に自律的な運営を目指すDAOとは一線を画すものである。
NDAChainと同時に、製品追跡システムNDA Traceも発表された。
このシステムは、GS1準拠のIDを商品に割り当て、生産から消費までのサプライチェーンを追跡する。
また、デジタルID検証ツールNDAKeyも提供され、オンライン取引におけるなりすましなどの詐欺リスクを低減させる。
NDAChainは、まず国内のデータセキュリティ強化とグローバルな相互運用性の確保を目指す。
将来的には、海外パートナーとの連携を通じて、さらなる普及と国際的なデータ基準の統合を進める計画だ。
このプラットフォームが成功すれば、ベトナム国内のアルトコイン市場にもポジティブな影響を与える可能性がある。