トルコの資本市場委員会(CMB)は5日、国内で無許可の暗号資産(仮想通貨)サービスを提供していたとして、46の関連ウェブサイトへのアクセスを遮断する法的措置を取った。
大手DEXのPancakeSwapも対象に
今回の措置で遮断されたプラットフォームには、世界最大級の分散型取引所(DEX)であるPancakeSwapが含まれる。
PancakeSwapは6月だけで3250億ドル(約46兆8000億円)以上の取引高を記録する大手だが、トルコで禁止された初のDEXとなった。
その他、CryptoradarやExchange Investrなど、多数の投資・取引プラットフォームも対象となっている。
CMBはこれらのサイトがトルコ居住者に対し、適切な認可なしに仮想通貨関連サービスを提供し、資本市場法に違反したと主張している。
トルコでは2025年3月以降、国内でサービスを提供するすべての仮想通貨事業者に対し、厳格な顧客確認(KYC)手続きを含む完全なコンプライアンスを義務付けていた。
規制強化の背景と今後の見通し
今回の措置の背景には、仮想通貨市場の健全化と利用者保護の狙いがある。
当局は、無許可のサービスが富裕層を狙った「豚の屠殺詐欺」などの金融詐欺の温床になることを懸念している。
トルコでは仮想通貨の利用者が増加傾向にあり、2023年の25.1%から2024年には27%に達した。利用者の増加に伴い、規制当局の監視も強化されている。
トルコは2021年に仮想通貨による支払いを禁止したが、取引などの決済以外の利用は許可している。
今回のアクセス遮断は、カザフスタンやロシア、フィリピンなど、無許可の仮想通貨サイトをブロックする国々の動きに続くものだ。
このような規制強化の動きは世界的な潮流であり、投資家はライセンスを持つ信頼できる仮想通貨海外取引所を選ぶことが今後ますます重要になるだろう。