ドナルド・トランプ米国大統領に触発されたミームコインのトランプミーム(TRUMP)は7日、トロンネットワークでローンチすると表明した。
これは同プロジェクトにとって初のクロスチェーン展開となる。
TRUMPコイン、価格低迷からの再起なるか
TRUMPは2025年1月17日にソラナ上で初めて発行された暗号資産(仮想通貨)だ。
総供給量10億トークンのうち20%にあたる2億トークンで開始され、48時間以内に最高値は75ドルを記録した。一時は完全希薄化後評価額が約750億ドルに達した。
しかし、その後価格は急落し、現在の価格は8.59ドルと、最高値から88.5%下落している。現在の時価総額は17億1800万ドルとなっている。
今回のトロンへの進出は、初期の熱狂が冷めた後の勢いを再燃させる狙いがあると見られる。
拡大戦略の背景と市場の懸念
トロンネットワークはソラナと比較して高速な取引速度と幅広い利用者層を持つ。
TRUMP陣営は、この特徴を活用して採用を促進し、プロジェクトの勢いを取り戻すことを目指している。
トロンの創設者であるジャスティン・サン氏の支持も、この動きを後押ししている。一方で、市場には複数の懸念材料が存在する。
2025年7月18日には、供給量の25%に相当する5000万のTRUMPトークンが市場に放出される予定であり、価格の安定性を脅かす可能性がある。
さらに、プロジェクトチームが管理するウォレットからの組織的な売却が観測されており、弱気心理の一因となっている。
また、この仮想通貨は政治家との関連性から、利益相反や国外からの影響に関する規制上の疑念も指摘されている。
コミュニティでは価格回復への期待も聞かれるが、具体的なトークン配布方法などの技術的な詳細は依然として不明確だ。
このような時事的なテーマを持つミームコインは、ボラティリティが高い傾向にあるため、投資には注意が必要である。