ドナルド・トランプ米国大統領の子供たちが部分所有するワールド・リバティ・フィナンシャル(WLFI)は5日、無許可で「TRUMP Wallet」を開発していたファイト・ファイト・ファイト社に対し、開発停止を求める法的措置を取った。
ワールド・リバティ・フィナンシャルは、トランプ氏の長年の関係者であるビル・ザンカー氏が率いるファイト・ファイト・ファイト社に停止命令書を送付した。
同社は著名な非代替性トークン(NFT)マーケットプレイスのマジック・エデンと提携し、トランプブランドのミーム銘柄のトランプコイン(TRUMP)やその他のデジタル資産をサポートする暗号資産(仮想通貨)ウォレットを開発していた。
This project is not authorized by @Trump. @MagicEden I would be extremely careful using our name in a project that has not been approved and is unknown to anyone in our organization. https://t.co/OovJGvGOkO
— Eric Trump (@EricTrump) June 3, 2025
無許可ウォレット開発への法的対応
マジック・エデンは公式にパートナーシップを確認していたものの、トランプファミリーはソーシャルメディアを通じて関与を否定した。
ドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏は、ワールド・リバティ・フィナンシャルがトランプ関連の仮想通貨事業に対する独占的権利を持つと主張した。
停止命令は5日のファイト・ファイト・ファイト社とマジック・エデンによるTRUMP Walletの待機リスト発表直後に送られた。
両社は同ウォレットの開発と宣伝活動の即座停止を求められている。法的圧力を受け、TRUMP WalletのXアカウントは削除された。
トランプ関連仮想通貨事業の独占権争い
この対立は、トランプ関連の仮想通貨エコシステム内でのブランド権限と事業統制をめぐる緊張関係を浮き彫りにしている。
ファイト・ファイト・ファイト社は2025年1月のトランプ氏のトランプコイン立ち上げを管理していたが、ワールド・リバティ・フィナンシャルからの許可なしにウォレットプロジェクトを進行させた。
ワールド・リバティ・フィナンシャルは、トランプファミリーが公式に支持する唯一のプラットフォームとしての地位を守ろうとしている。
同社は独自の「公式ウォレット」を近日中にリリースすると予告しており、今回の措置は消費者の混乱や自社ブランド価値の希薄化を防ぐための断固たる行動と言える。
この一連の騒動は、トランプ関連の仮想通貨プロジェクト内での連携や透明性に対する懸念を招いている。
さらに、特定の著名人に関連するコインの問題だけでなく、より広範なアルトコイン市場全体のボラティリティの高さと、規制の必要性をも示唆している。