ステーブルコインUSDTを発行するテザーは11日、5つのブロックチェーンでのサポートを2025年9月1日に終了すると明らかにした。
対象となるのは、オムニ、ビットコインキャッシュSLP、クサマ、イオス、アルゴランドの5ネットワーク。この決定は、同社のインフラ戦略の見直しの一環とされる。
サポート終了の背景と戦略的転換
サポート終了の判断は、対象ブロックチェーン上におけるUSDTの取引量が過去2年間で著しく減少したことが主因だ。
これらのネットワークは、テザー初期の普及に貢献してきたが、現在では取引活動が低迷している。
テザーは、イーサリアム(Ethereum)やソラナ(Solana)といった、効率性・スケーラビリティに優れ、需要の高いチェーンへのリソース集中を進めている。
テザーのパオロ・アルドイノCEOは、「この決定は、進化し続けるデジタル資産のエコシステムに適応するためのものだ」と述べた。イノベーションと実用性を重視する姿勢を強調している。
同社は近年、ブロックチェーン分析企業との提携、ビットコイン(BTC)マイニング事業、アフリカでの金融教育などにも取り組んでいる。
利用者への影響と今後の対応
サポート終了に伴い、対象チェーン上のUSDT保有者は2025年9月1日までに償還を行うか、他の対応ブロックチェーンへの移行が必要となる。
移行先としては、イーサリアムやトロン(Tron)などが挙げられる。期日以降は、対象チェーン上のUSDTは凍結される見通しであり、利用者には注意が求められる。
テザーは、公式ガイドラインの確認と早期対応を呼びかけている。
今回の措置は、暗号資産(仮想通貨)市場の変化への適応と、持続可能な成長を図る同社の戦略に沿ったものとされる。