決済プラットフォーム大手のストライプ(Stripe)はこのほど、ステーブルコインを活用した新たな決済サービスを発表した。
同社はステーブルコイン金融口座を導入し、企業がUSDコイン(USDC)や同社傘下の決済プラットフォームBridgeのUSDBといった、ステーブルコイン残高を保有・管理できるサービスを101か国で開始した。
企業は暗号資産(仮想通貨)と従来のACHやSEPA決済の両方を通じて支払いを受け取ることが可能となる。
Introducing Stablecoin Financial Accounts. Hold a stablecoin balance. Send and receive funds with fiat and crypto rails. Accessible from 101 countries: https://t.co/yXtE9cdeaz. pic.twitter.com/WnifgAutoA
— Stripe (@stripe) May 7, 2025
ビザとの提携でカード発行プログラム開始
法定通貨との互換性の課題に対応するため、ストライプはビザ(Visa)およびその子会社のBridgeと提携し、グローバルなカード発行プログラムを立ち上げた。
フィンテック企業は現在、ステーブルコインウォレットに連動するビザ対応のデビットカードやギフトカードを発行できる。
このシステムでは、ブリッジが取引時にステーブルコインから法定通貨へのリアルタイム変換を処理する。
カードは世界1億5000万店舗のビザ加盟店で利用可能となる予定だ。
Ramp、Squads、Airtmなどのフィンテック企業が既にこのサービスを活用している。
複数通貨対応とAI技術の導入
ストライプは通貨管理機能も拡張し、企業が既存口座内で米ドル、ユーロ、英ポンドの残高を保有、変換、使用できるようになった。
これにより、国境を越えた取引における外国為替コストや通貨変動リスクが軽減される。
同時に、ストライプは数百億件の取引データで訓練された人工知能(AI)基盤モデルを導入し、不正検知機能を強化した。
この技術により、カードテスト攻撃を80%以上効果的に削減できるという。
30日には、同社が銀行との初期協議を進めており、ステーブルコインを中核サービスに統合する計画を確認した。
これは機関投資家レベルでの採用拡大を示唆している。現在はUSDCとUSDBに対応している。
将来的には、イーサリアム(ETH)上で発行されるステーブルコインなど、さらに多くの選択肢が増えることも考えられる。
他の通貨や地域への拡張も予定されており、これはアルトコイン市場全体の活性化にも繋がるだろう。