ストラテジー250万株公募|10%配当でビットコイン購入資金確保

私たちを信頼する理由
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企業の資金調達とビットコイン投資戦略を表現したビジネスイメージ

ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は2日、年率10.00%の配当を付与する優先株式250万株の公募を実施すると発表した。調達した資金は主にビットコイン購入と運転資本に充当する方針を示している。

高配当優先株による資金調達の詳細

今回発行される「10.00%シリーズA永続ストライド優先株式」(ティッカー:STRD)は、1株当たり100ドル(約1万4300円)の額面価格で発行される。年率10%の配当は四半期ごとに現金で支払われ、初回配当は2025年9月30日から開始される予定だ。配当支払いは3月31日、6月30日、9月30日、12月31日の年4回実施される。

この配当は非累積型のため、未払い配当が翌期に繰り越されることはない。配当支払いには取締役会の承認が必要で、義務的な支払いではない点が特徴となっている。

投資家保護機能と償還条件

今回の優先株には投資家を保護する複数の仕組みが組み込まれている。同社は発行済み優先株の25%を下回る保有となった場合や、特定の税務上の事象が発生した場合に株式を償還する権利を有する。償還時には額面価格の100ドルに加え、未払い配当も支払われる。

また、企業買収や株式上場廃止といった「根本的変化」が生じた場合、株主は額面価格での買い戻しを要求できる条項も設けられている。これにより投資家の下方リスクが軽減される仕組みとなっている。

ビットコイン戦略の継続と市場への影響

ストラテジーは企業として最大級のビットコイン保有者として知られており、今回の資金調達もその戦略の延長線上にある。同社はビットコインを準備資産として位置づけ、長期的な価値保存手段として活用している。

暗号資産(仮想通貨)市場の変動性に対する短期的な流動性リスクを軽減しながら、ビットコイン保有量の拡大を図る狙いがある。規制面での不透明感や市場の変動にもかかわらず、企業ポートフォリオにおけるビットコインの役割への同社の信頼を示すものと解釈されている。

これは、同社が仮想通貨長期保有の戦略を重視していることの表れとも言えるだろう。

著者: 名本 太陽

仮想通貨専門のWebライター。2017年からブロックチェーン業界に携わり、国内外の仮想通貨取引所やDeFiプロジェクトのホワイトペーパー、解説記事、プレスリリースを多数執筆。金融メディアでの連載経験もあり。専門はDeFi、NFT、メタバースで、最新トレンドに基づいた正確かつ分かりやすいコンテンツ制作を得意とする。