ストラテジー、優先株IPOで1410億円調達|ビットコイン購入も

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ストラテジーのロゴとビットコインのシンボルが描かれた上昇株価チャート

ビットコイン(BTC)を企業資産として保有する世界最大の企業ストラテジーは6日、10.00% A種永久ストライド優先株式(STRD)の新規株式公開の価格設定を発表した。

公募価格は1株あたり85ドルで、1,176万4,700株を公開する。調達した資金は主にビットコインの追加購入に充てられる予定。

今回のIPOにより、手数料などを差し引いた純手取額として約9億7,970万ドルを見込んでいる。同社は6月10日に取引を完了させる予定で、新株はナスダック市場にSTRDとして上場する。

高配当利回りが魅力の投資商品

STRD株の最大の特徴は年率10.00%という高い配当利回り。配当は2025年9月30日から四半期ごとに支払われる予定で、配当支払い日は3月31日、6月30日、9月30日、12月31日に設定されている。

ただし、配当は非累積型で義務的ではなく、取締役会の承認と資金状況に応じて支払われる。そのため、支払いが一度見送られても、未払い分が累積することはない。これは企業側の財務的負担を軽減する仕組みとなっている。

清算優先価格は1株あたり100ドルに設定されており、市場価格の変動に応じて日次で調整される。調整後の清算価額は、当初の100ドル、直近の取引日の終値、または過去10営業日の平均価格のうち最も高い価格となる。

ビットコイン戦略の資金調達手段

今回のSTRD発行は、ストラテジーがビットコイン購入資金を調達するための新たな手段となる。同社はこれまで主に普通株式の発行と転換社債を通じて資金を調達してきた。

マーケットアナリストのジェシー・マイヤーズ氏は、今回の優先株が提供する年率10%の配当利回りについて「4.2%の利回りしか提供しない債券市場から投資家を誘引できる」と分析している。これは現在の債券市場と比較して2倍以上の利回りとなる計算。

引受会社としてバークレイズ、モルガン・スタンレー、モエリス、TDセキュリティーズが共同主幹事を務める。ベンチマーク、アメリベット・セキュリティーズなどの投資会社も販売を支援する。

同社は現在も普通株式MSTR、優先株式STRK、STRFの自動売買プログラムを継続しており、2025年6月1日時点でMSTRに186億3,000万ドル、STRKに206億8,000万ドル、STRFに20億5,000万ドルの販売枠が残っている。

市場ではビットコインに加え、多様なアルトコインにも資金が流入。今後の新しい暗号資産(仮想通貨)動向が注視されている。

著者: 渡貫 宗

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。