スタンダード・チャータード銀行は2日、ブロックチェーンプラットフォーム「アバランチ」の基軸通貨AVAXが、2029年末までに250ドル(約3万7250円)に達する可能性があると予測した。
この予測は同銀行の暗号資産(仮想通貨)調査責任者であるジェフリー・ケンドリック氏によるものだ。
現在約20ドル(約2980円)のAVAXが今後5年以上で約12倍の価格上昇を遂げる可能性を示している。
ケンドリック氏はAVAXがビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)よりも相対的に高い価格上昇率を示すと予想している。
アバランチの将来価格予測と根拠
スタンダード・チャータード銀行の予測によると、AVAXは2025年末に55ドル(約8195円)、2026年に100ドル(約1万4900円)、2027年に150ドル(約2万2350円)、2028年に200ドル(約2万9800円)、そして2029年末には250ドル(約3万7250円)に達する可能性がある。
この楽観的な見通しの主な根拠となっているのは、アバランチの独自のサブネットベースのスケーリングモデルだ。
このモデルは、イーサリアム(ETH)やソラナなど他の主要ブロックチェーンが採用している従来のスケーリングソリューションとは異なり、ネットワークの効率性と拡張性を高めている。
現在、アバランチは時価総額では仮想通貨全体の中で15位に位置しているが、総ロック価値(TVL)ではすでに10位のブロックチェーンとなっており、今後の指数関数的な成長の可能性を秘めている。
Etnaアップグレードがもたらす成長可能性
アバランチの最近の「Etna(エトナ)」アップグレード(別名Avalanche9000)は、サブネット設立のコストを最大45万ドル(約6705万円)からほぼゼロに削減した。
この変更により、開発者の参入とネットワーク採用の増加が期待されている。
実際、Etnaアップグレード後、開発者数は40%増加し、アクティブなサブネットの4分の1がすでにEtna対応となっている。
このような初期の成功の兆候は、アバランチエコシステムの健全な成長を示している。
アバランチエコシステムの現状と展望
アバランチ財団は成長をさらに促進するため、Retro9000やInfraBUILDなどの開発インセンティブを立ち上げている。
これらのイニシアチブは、より多くのプロジェクトやアプリケーションをアバランチエコシステムに誘致することを目的としている。
また、ブラックロックのトークン化の取り組みなど、大手金融機関からの支援も、金融界におけるアバランチの重要性の高まりを示している。
これらの要素が組み合わさることで、アバランチは今後数年でより広範な採用と価値の向上を実現する可能性がある。
ただし、仮想通貨市場は非常に変動が激しく、長期的な価格予測には不確実性が伴うことに留意する必要がある。
投資家は常に自身でリサーチを行い、リスク管理を重視することが重要だ。